矯正装置をつけると「話しにくくなるのでは?」「部活動や楽器演奏ができないのでは?」といった不安から、治療をためらってしまう方も少なくありません。しかし、ほんの少しの工夫や心構えで、治療中の不快感を減らすことができます。そこで、滑舌のお悩みと解決法を、練馬関町かんけ歯科・矯正歯科の菅家先生に解説してもらいました。

監修歯科医師:
菅家 有美(練馬関町かんけ歯科・矯正歯科)
東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒業。同大学院歯学総合研究科顎顔面矯正学分野博士課程修了。東京大学医学部附属病院での臨床研修を経て、現在は東京医科歯科大学歯学部附属病院(現・東京科学大学病院)の非常勤講師も務める。練馬関町かんけ歯科・矯正歯科では矯正治療を担当し、見た目の改善だけでなく、むし歯や歯周病予防、全身の健康維持を目的とした治療を提供。患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立案し、矯正治療中のトラブルにもワンストップで対応する。日本矯正歯科学会認定医。歯学博士。
編集部
矯正治療中は「滑舌が悪くなる」とよく聞きますが、どの程度支障が出てしまうのでしょうか?
菅家先生
滑舌への影響は個人差があり、使用する装置によってもその度合いが異なります。たとえば、上あごに「パラタルバー」という装置がついている場合や、「矯正用アンカースクリュー」と呼ばれるネジを打った場合は、発音がしづらく感じられることがあるようです。ただ、話しづらさの多くは一時的なもので、通常は2~3日から1週間程度で慣れていき、違和感もなくなっていきます。
編集部
はじめのうちは話しづらさを感じても、慣れてくると支障はないということですね。
菅家先生
はい。ただし、発音がしにくくなる原因のなかには、舌の位置や動かし方に問題があるケースも少なくありません。矯正治療を始める患者さんの中には、もともと舌の基本的な位置や発音時の動きが正しくない方も多く、その状態で装置が入ることで、さらに違和感を覚えるケースがあります。
編集部
矯正治療中に滑舌が悪くなったと感じた場合、どのような対処法がありますか?
菅家先生
まずは、「ゆっくり・はっきり話すこと」を意識してみましょう。とはいえ、ご本人が気になっていても、周囲の人は文脈で理解することが多いため、日常生活にそれほど支障は出ないと思います。一方で、もともと舌の位置や動かし方に問題のある方は、舌の先端の位置をしっかり意識して話すことが大切です。これは滑舌の改善だけでなく、治療後の後戻り予防にもつながる重要なポイントになります。
編集部
具体的に、舌の先端をどこに置くのが正しいのでしょうか?
菅家先生
舌の先端の正しい位置は、上あごの前方にあるざらざらした部分、いわゆる「スポット」と呼ばれる場所です。普段からこのスポットに舌の先端を置くように意識し、発音するときや飲み込むときにそこに当てるようにすると、矯正治療中の滑舌の悪さが軽減されます。さらに、治療後の後戻り防止にもつながるため、日常的に舌の位置を意識することが大切です。
※この記事はメディカルドックにて<矯正治療中は滑舌・食事に影響ある? 日常生活の工夫やコツも歯科医が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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