
■キャスト8名がそろった初日会見
初日公演に先駆けて行われた会見には、竈門炭治郎役の阪本奨悟さん、髙橋颯さん(Wキャスト)、竈門禰󠄀豆子役の髙橋かれんさん、我妻善逸役の植田圭輔さん、胡蝶しのぶ役の門山葉子さん、鬼舞辻󠄀無惨役の佐々木喜英さん、獪岳役の一色洋平さん、童磨役の浦井健治さんが登壇。本作への意気込みや見どころを語り、開幕への期待を大いに高めた。
【阪本奨悟】無事に誰一人欠けることなく初日を迎えられることが本当にうれしいと思うと同時に、ここからが本当の始まりでもありますので、稽古で積み上げたものをしっかりとお客様に届けられるように頑張りたいです。
【髙橋 颯】僕自身、初めて挑戦することが多く、周りの方に支えていただきながら今日を迎えることができたなという気持ちです。ここからの本番で、全てをお返しするような気持ちで演じていけたらなと思っています。

【髙橋かれん】積み上げてきたものを披露できることを本当にうれしく思います。
【植田圭輔】非常にいい空気感で稽古ができました。二人の炭治郎がそれぞれの背中で引っ張ってくれて、今日ここまで来れたかなと思っています。まずは初日、そしてここから精一杯最後まで全員怪我なく走り抜けたいです。

【門山葉子】再びこうしてしのぶと共に舞台で生きられる日が来たことをとてもうれしく思っています。カンパニーが一丸となって作り上げたこの作品をお客様にお届けできるんだなと、今とってもワクワクしています。約5年ぶりに柱が集結ということで、柱一同とても気合が入っておりますので、ぜひそちらにも注目していたたきだいです。
【佐々木喜英】「いつか無限城でお会いしましょう」という言葉を、2020年の初演からずっと話しておりました。そして今回、無限城突入ということで、ようやく夢が叶って本当にうれしく思っております。初演のころから「無限城に入ったら楽しみたいね」と初演メンバーでも話していたんですが、今回帰ってきてた初演メンバーもいますので、またここから新しい鬼滅の刃を作り上げて最高の舞台にしたいと思っております。

【一色洋平】「無限城でお待ちしております」という、その鬼舞辻󠄀無惨の言葉が今すごく僕にも響いています。お客様の皆様を、そして何より我妻善逸を無限城で心よりお待ちいたしております。
【浦井健治】この舞台「鬼滅の刃」のカンパニーの絆というものは、無惨様が今おっしゃったように、本当に心と心がつながり合っていて、それが鬼滅の刃の作品とリンクしている。そんな不思議な体感ができる作品になっていると思います。数々の試練を乗り越えて、炭治郎と禰豆子が成長していく過程。そして、それがついに無限城まで来るわけですから。この新しい劇場で、新たな物語を花咲かせたいと思っています。
■それぞれの因縁を背負い、無限城へ
今回、炭治郎役は阪本奨悟さんと髙橋颯さんによるWキャスト。互いに刺激を受けながら稽古を重ねてきたという二人は、それぞれが感じた手応えを語った。

阪本奨悟さんは「化学反応といいますか、お互いの芝居から刺激を受けながら、一緒に炭治郎という役を磨いていけた感覚がありました。お互いが持っているものを尊重しながら高め合えた貴重な経験でした」とコメント。髙橋颯さんも「阪本さんの芝居を見ていて、自分もこんなふうに炭治郎として立てたらと思う瞬間がたくさんありました。多くのものを吸収しながら全力でぶつかることができた濃密な稽古期間だったと思います」と充実感をにじませた。

本作では、最終決戦の幕開けとなる無限城での戦いも大きな見どころの一つ。なかでも、胡蝶しのぶと童磨による因縁の対決は、多くのファンが待ち望んでいた場面だ。
2021年上演のシリーズ第2作以来、しのぶ役として本作に帰還した門山葉子さんが、「しのぶとして5年間、勝手に募らせてきた童磨への憎しみを今回爆発させたいと思っています。浦井さんは童磨のことも、しのぶのことも大切に思ってくださっている方なので、とても心強かった」と共演への思いを明かすと、浦井健治さんも「舞台上に童磨としのぶ、二人しかいない瞬間があり、稽古ではその情景や葛藤をどう描いていこうか、というものをたくさん話させていただいたので、一緒に作品を作り上げてきた同志のような感覚があります」と稽古を振り返った。

また、前作では映像出演だった浦井健治さん。今作で満を持して舞台上で童磨を演じることに。「責任重大だなという感触があります」と率直な心境を吐露しつつも、「佐々木くんに人生初のジェルネイルというものを学びました。というのも、舞台上ではつけ爪だと戦いのときに相手を傷つけてしまうということもあって。さらに、カラーコンタクトも人生初。ジェルネイルをつけて取り外すのが大変なんですよ。そういう初体験もありながら、鬼を演じさせていただくのは貴重な経験だと思いますし、みんなで作ってきたからこそ、とんでもないものを見せられるなという感触があり、今とてもワクワクしています」と笑顔を見せた。

さらに、我妻善逸と獪岳による因縁の戦いも見逃せない。「獪岳は、描かれていない部分が多く、役作りするうえで『ここが描かれていたらな』と思うところもあったんですけど、その分、考察しがいがあって面白かったかもしれないというのが今の率直な感想です。舞台版の雷兄弟はこんな風にしてみたらどうでしょうと提案して作り上げていきました」と語った一色洋平さん。植田圭輔さんが「洋平さんはすごく芝居だけじゃなくて、いろんなものに対して実直でまっすぐな人。そういう部分が獪岳にぴったりだなと思いますし、善逸が見ていた背中のようなものを見させていただいているような気がしました」と明かす一幕もあった。
また、稽古場での印象的なエピソードを尋ねられ、佐々木喜英さんがキャスト陣のストイックな取り組みぶりを披露する場面も。「今回は、原作でも上半身を脱ぐシーンが多いんですね。なので、制作さんが稽古場にジムのようなスペースを作ってくださって。そこに僕もめちゃくちゃ重いダンベルを持ち込んだんですけど、毎日筋トレしていたら、今はそのダンベルが軽く感じるようになってしまったので、さらに重いダンベルを購入しました。肉体美も楽しめる舞台ですので、ぜひご期待ください(笑)」と胸を張った。
一方、髙橋かれんさんはカンパニーの変わらぬ作品愛に言及。「初演からの方もいれば、久々の方や初出演の方と、さまざまなキャストさん、スタッフさんがいらっしゃるんですけど、稽古場のいろんなところで原作のマンガを読んでいる姿があって。その景色だけは変わらないなと。本当に『鬼滅の刀』への愛が深いカンパニーだと思っています」と、熱量あふれる座組であることをうかがわせた。

会見の最後には髙橋颯さんが「このカンパニーのチーム力みたいなものを感動という形でお客様に届けることができるのかなと、今から僕自身もとても楽しみです。千秋楽まで誰一人欠けることなく、お客様も安全第一で来ていただいて、公演を最後まで観賞していただきたいなと思っています」と力強く意気込み、阪本奨悟さんも「僕の役者人生の中でも、本当に強い自負を持てるぐらい誇り高い作品だなと思っています。つなぐという大きなテーマを背負って戦っていける最高のカンパニーです。舞台『鬼滅の刃』ならではの魅力あふれるものをお届けできる確信がありますので、それをたくさんの方にお届けできるのがすごく楽しみです」と自信をのぞかせた。

■想いが交差する柱稽古と無限城で幕を開ける最終決戦
会見後に行われたゲネプロの炭治郎役は、阪本奨悟さん。心を閉ざし続ける水柱・冨岡義勇と炭治郎との対話や、岩柱・悲鳴嶼行冥らのもとで繰り広げられる柱稽古など、原作ファンにはおなじみのエピソードが次々と描かれていく。個性豊かな柱たちが集結する場面では、それぞれのキャラクター性が際立ち、客席を惹きつけた。

本作では、舞台ならではの生身のアクションや立体的な演出に加え、ステージ背面に広がる大スクリーンを駆使した映像表現を融合。無限城へと突入していくスケール感あふれる世界観を鮮やかに立ち上げ、観る者を作品の中へと引き込んでいく。
そして、胡蝶しのぶと童磨、我妻善逸と獪岳、それぞれの因縁が交錯する対決の場面は圧巻。積み重ねてきたシリーズの歴史と、作品への深い愛情を共有するカンパニーだからこそ生み出せる熱量が、舞台の随所から伝わってきた。初演から受け継がれてきた「つなぐ」というテーマ。その思いを胸に紡がれる物語は、無限城での激闘の幕開けにふさわしい濃密な時間だった。

公演は6月28日(日)まで、東京・MoN Takanawa: The Museum of Narrativesにて上演。また、6月27日(土)13時公演・18時公演、6月28日(日)13時千秋楽公演はU-NEXTにてライブ配信を実施。さらに、6月28日(日)13時の千秋楽公演は全国各地の映画館でライブ・ビューイングも行われる。無限城での激闘の幕開けを、ぜひ劇場や配信で見届けてほしい。
撮影・取材・文=野木原晃一
(C)吾峠呼世晴/集英社
(C)舞台「鬼滅の刃」製作委員会
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