岡田将生“真”、染谷将太“稔”に「もっちゃんを許すつもりは無い。けど、もっちゃんは味方だ」<田鎖ブラザーズ>

岡田将生“真”、染谷将太“稔”に「もっちゃんを許すつもりは無い。けど、もっちゃんは味方だ」<田鎖ブラザーズ>

もっちゃんの死に、打ちひしがれる稔(染谷将太)と真(岡田将生)
もっちゃんの死に、打ちひしがれる稔(染谷将太)と真(岡田将生) / (C)TBS/TBSスパークル

金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第9話が6月12日に放送され、稔(染谷将太)が語った小学生の頃のもっちゃん(山中崇)との思い出に、回想映像が無いにもかかわらず、視聴者はまるで見たかのようにそのシーンが脳裏に浮かび、在りし日のもっちゃんを思って涙を流した。(以下、内容のネタバレを含みます)

■時効になった両親殺害事件の真犯人を追うクライムサスペンス

本作は、時効が成立してしまった31年前の両親殺害事件の犯人を探すために警察官になった兄弟が、日々起こる凶悪事件事件と立ち向かいながら両親の事件の真相を追っていく、完全オリジナルのクライムサスペンスである。

■もっちゃんが残してくれた“母の味”のレシピ

もっちゃんの死因は薬の過剰摂取によるもので、事件性は無く、自殺と結論付けられた。稔が県警でもっちゃんの遺体を前に茫然となっていた頃、真(岡田将生)は自宅でもっちゃんから届いた小包を開けていた。中には、先日もっちゃんが田鎖家から盗んだ密造銃と「ごめんなさい」と書かれたメモが入っていた。

茂木家に弔問に行った晴子(井川遥)から、葬儀もあげず、母親1人に見送られた寂しい最期だった、と聞かされた真は、「こんなことになるために、31年もかけてきたのか…。バカみたいだよな」と、やり場の無い気持ちでいっぱいになるのだった。

稔は、もっちゃんの死以来、仕事を休んだままで抜け殻のようになっていた。食事をしようと冷凍庫を開けると、料理の入った容器にもっちゃんが書いたチャーハンのレシピの紙が添えられていた。自分が居なくなった後も、“母の味”が食べられるようにしてくれていたのだ。

田鎖兄弟の母は、もっちゃんに料理を習っていたので、もっちゃんの味は母親の味だった。両親を亡くした後、もっちゃんが作ってくれたチャーハンが母親と同じ味だった為、幼い稔は彼の背中にぎゅっと抱きついたことがあった。稔にとって、もっちゃんは母親代わりでもあったのだ。

下手な字で、間違えた箇所をグチャグチャと消しながら事細かに工程を説明し、「お皿にもりつける」というところまで書かれたレシピ…。それを見ながら稔はチャーハンを作った。そして、帰宅した真にその“母の味”を食べさせながら、真が知らないもっちゃんとの思い出を語り始めた。
もっちゃんが残したレシピで作ったチャーハンを真(岡田将生)に差し出す稔(染谷将太)
もっちゃんが残したレシピで作ったチャーハンを真(岡田将生)に差し出す稔(染谷将太) / (C)TBS/TBSスパークル


■もっちゃんとの思い出

小学生の稔が不登校になった時、真が学校に行き1人ぼっちになった彼のもとに毎朝もっちゃんが来てくれたんだそうだ。そして、励まし方がわからなかったのか、店が始まるまでただ黙って一緒に居てくれたのだと。

ある日、登校することにした稔をもっちゃんは玄関まで見送ってくれた。だが、そのまま手を振りながらずっと稔の後をついてきて、結局学校の前まで来てしまい、稔が校門をくぐった姿を見て、うれしそうに泣いていた、と稔は涙ながらに回想した。

このシーンは、稔のモノローグだけで映像は無かったが、その時のもっちゃんがまるで見たかのように浮かんでくる。稔から少し離れて、猫背で狭い歩幅で手を振りながらついてきて、稔の姿が見えなくなるまで…見えなくなっても、涙を流しながら笑顔でずっと手を振っていたはずだ。

視聴者も皆、「映像無いのに脳内再生されて爆泣き」「想像できすぎてバカ泣いた」など、もっちゃんを思い出して泣いた。それだけもっちゃんの存在は、稔や真と同じぐらい視聴者の心に深く入り込んでいるのだろう。
稔が小学生だった頃の若いもっちゃん(山中崇)
稔が小学生だった頃の若いもっちゃん(山中崇) / (C)TBS/TBSスパークル


■「もっちゃんは、味方だ」

稔は話し終わった後、「オレ、やっぱ無理だわ…。どうしてももっちゃんを憎めない。オヤジと母ちゃんに合わせる顔が無いよな」と、真に告げた。真は、稔に見えないように涙を拭った後、「オレは、もっちゃんを許すつもりは無い。やったことに変わりは無いし、今までずっとオレたちを騙してた」と、稔に言った。

そして「けど…」と続けた後、レシピの紙を見つめ、「もっちゃんは、味方だ」と言って、泣きながら残りのチャーハンを食べた。

周りが全員敵に見えていた田鎖兄弟が唯一心を許せて信じられたのがもっちゃんだ。そして稔にとっては、父でもあり友だちでもあり、彼の心の支えだった。

そんなもっちゃんを、辛島貞夫(長江英和)と笹岡(柳憂怜)は、自分たちの保身の為に利用した。地上げに抵抗する母親が殺されるかもしれないとほのめかし、母と店を守ってやるから、と銃の密造を知り警察に告発すると言った田鎖朔太郎(和田正人)…つまり兄弟の父を口封じに殺すことを命じたのだ。母を守りたい一心で、もっちゃんは要求をのんだのだった。

もっちゃんは、チャーハンを食べた稔が抱きついてきた時、どれだけ苦しかっただろう。ある時は「参観日に来てほしい」と稔に頼まれ、良心の呵責に耐えられなくなり、自首しようとしたこともあった。だが、息子が殺人犯だと知った母親はどうなる、と貞夫に言われて断念。31年間、もっちゃんもずっと後悔と自責の念を抱えて生きてきた。
31年間、もっちゃん(山中崇)も苦しかった…
31年間、もっちゃん(山中崇)も苦しかった… / (C)TBS/TBSスパークル


■視聴者の間で根強い、「もっちゃんは殺してない」説

だが、視聴者の中では、やはりもっちゃんが殺してないのでは…という声も根強い。寝ている田鎖夫妻を刺したのは事実だが、その時点では死んでおらず、その後何者かがとどめをさした説、既に何者かに殺された後にもっちゃんが刺した説…。工場から救出されたもっちゃんは、返り血を浴びていなかったはずだ。パーカーを脱ぎ捨て、ズボンが焼けたとしても、残った部分に血痕は無かったのだろうか?血が付いていたとしても本人の血だとに見逃されたのだろうか。そして、幼い稔まで傷つけたのだろうか…。

まだもっちゃんが真犯人ではないと思いたい視聴者は多いはずだ。次回、最終回。全ての謎が解ける。全てが明らかになった時、復讐の為だけに生きてきた田鎖兄弟は何を思い、どうなっていくのだろうか。

◆文=鳥居美保
もっちゃんの亡くなった現場で彼を偲ぶ真(岡田将生)と稔(染谷将太)
もっちゃんの亡くなった現場で彼を偲ぶ真(岡田将生)と稔(染谷将太) / (C)TBS/TBSスパークル


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