
部下に対して「は?頭悪い」と言い放ち、相手がノックアウトするまで言い負かしてしまう上司。しかし、それが「パワハラ」と指摘されれば、対応を見直す必要がある。今回は、そんなパワーハラスメントをテーマにした水谷緑さん(@mizutanimidori)の『こころのナース夜野さん』第5巻から、「パワハラの背景」を一部抜粋してお届けする。
■「怒り」の裏に隠された、上司の葛藤



出版社で編集長を務める飛鳥は、些細なことで部下を打ち負かすほどキレやすくなっていた。深夜2時まで熟考して出した結論を、部下に「もう一度再検討して欲しい」と言われると激しい怒りを覚える。言葉の暴力に部下は安易に引き下がったが、飛鳥は「は?だからもっと検討しろって言ってるだろ…頭悪い」と、余計な一言まで口にしてしまった。
上司から呼び出され、社員からのパワハラ苦情で注意を受けた飛鳥。ショックを受けつつも、怒りを抑える方法を求め精神科を訪れる。怒りが湧き上がるとコントロールできず、相手を打ち負かしたくなってしまうという。
医師との対話で、飛鳥は業績が落ち込み始めたころから感情を抑えられなくなったことを思い出した。自分の思い通りにならない部下に八つ当たりし、打ちのめしたくなったという。
■会社ではコントロールできたはずなのに…家庭では一変
医師のアドバイスを受け、飛鳥は部下への対応を改めるよう努力を始める。「編集長、こちらの企画案はいかがですか?」と部下が企画案を提出すると、飛鳥は「早く出してもらってうれしいよ。この企画はいいけど、私はスケジュールが心配かな。一度作家さんに確認してもらえないかな?」と、学んだことを活用する。
しかし、会社ではコントロールできたはずの怒りが、自宅に戻ると一変。お気に入りのお灸の箱を捨てた夫に「ユウト(子ども)のせいにしないでよ、あんたが見ててよ!!」「謝ってよ!」「本当は悪いと思ってないでしょ!!」と怒りをぶつけてしまう。
怒りとの付き合い方について、水谷さんは「怒り自体は、自分を守るための大事な感情だが、それを他人に否定しながら出すと関係が悪化したり縁が切れる。怒りの背景にある感情に気づいて、自分を労わると変わる」と語る。
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