「沈黙の臓器」が悲鳴…“あのドリンク”が原因の「肝機能低下」のサイン【医師監修】

「沈黙の臓器」が悲鳴…“あのドリンク”が原因の「肝機能低下」のサイン【医師監修】

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、機能が低下してもなかなか自覚しにくい臓器です。だるさや食欲の低下、尿の色の変化など、日常の中に潜むサインに気づいていますか?栄養ドリンクを習慣的に飲んでいる方に向けて、肝機能低下を示す身体のサインと、日々の生活で心がけたい対処法をご説明します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

肝臓の悲鳴——見落としやすい肝機能低下のサインと対処法

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、機能が低下してもなかなか自覚症状が現れにくい臓器です。栄養ドリンクの過剰摂取が続いている方の中には、すでに肝機能に影響が出ていても気づかずにいるケースがあります。このセクションでは、肝機能低下に気づくためのサインと、適切な対処法について説明します。

肝機能低下を示す身体のサイン

肝臓の機能が低下し始めると、さまざまな形で身体にサインが現れてきます。代表的なものとして、以下のような症状が挙げられます。

・慢性的な倦怠感・疲労感(休んでも回復しにくい)
・食欲の低下・胃もたれ・むかつき
・右脇腹から右肩にかけての重だるい感覚
・皮膚のかゆみや肌の黄みがかった変色(黄疸)
・尿の色が濃くなる(濃い黄色〜茶色みを帯びる)
・眠りが浅くなる・夜中に目が覚める

これらの症状は栄養ドリンクの飲みすぎによる肝機能低下以外にもさまざまな原因が考えられますが、栄養ドリンクを習慣的に摂取している状況で複数の症状が重なる場合は、肝臓の状態を確認することが大切です。

肝臓の機能を調べるには、血液検査でAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)・ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)・γ-GTP(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ)などの値を確認するのが一般的です。これらの数値が上昇している場合、肝細胞が傷ついているサインである可能性があります。定期的な健康診断を活用し、肝機能の数値を把握しておくことが予防の第一歩となります。

肝臓を守るための生活習慣と受診の目安

栄養ドリンクが肝機能に与える影響を軽減するためには、まず飲む頻度と量を見直すことが基本です。毎日摂取している方は、週に数回に減らすことを目標にするとよいでしょう。同時に、アルコールとの併用は特に肝臓への負荷が大きいため、栄養ドリンクとお酒を同日に摂取する習慣は避けることが推奨されます。

肝臓の機能を回復・維持するうえで重要な生活習慣としては、十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動・アルコールの制限が挙げられます。特に、たんぱく質(魚・大豆製品・卵など)を適切に摂取することは、肝細胞の修復に役立つとされています。また、過度な脂質や糖質の摂りすぎは脂肪肝のリスクを高めるため、食事内容にも気を配ることが大切です。

倦怠感・食欲不振・黄疸・右脇腹の違和感などが続く場合や、健康診断で肝機能の数値に異常が指摘された場合は、消化器内科を受診することが望ましいです。自己判断での栄養ドリンクの継続は症状を悪化させることがあるため、気になる症状があるときは早めに専門の医師へ相談することが大切です。

まとめ

栄養ドリンクは手軽に疲労感を和らげられる飲み物ですが、毎日のように飲み続けることで、カフェインへの依存や肝臓への負担という思わぬリスクをもたらすことがあります。疲れたときに一時的に頼ることは一概に否定されるものではありませんが、習慣化することで身体が発するサインを見落としてしまう可能性があります。緑茶・麦茶・甘酒などの代わりの飲み物を上手に活用しながら、睡眠・食事・休息という疲労回復の基本を整えることが、長期的な健康の土台となります。身体の変調や肝機能に関する数値の異常が気になる方は、ぜひ消化器内科や内科への受診・相談を検討してみてください。

参考文献

食品安全委員会「食品中のカフェイン」

厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう〜」

消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」

農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

配信元: Medical DOC

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