
子供のころから文字や絵で補足しながら会話を楽しみ、やがて伝えたいことを頭の中で反芻するうちにそれを漫画として描くようになったという、キタハタエミ(@emi_kitahata)さん。Instagramやpixivにて、エッセイ漫画などを公開している。今回は、夫の見た幽霊シリーズから『黒くて怖くて大きいもの』をお届けするとともに、キタハタさんにこの作品に対する思いを聞いた。
■猫が突然“何もない場所”を叩き始めた



「今までの人生で一番怖かったそうです」
そう語るのは、作者・キタハタエミさんの夫。ある日、夫婦でリビングにいたときのことだった。映画を見ようとしていた夫は、突然「パキパキ」という音とともに、背後に“黒くて大きな何か”の気配を感じたという。恐怖で身動きが取れなくなったその瞬間、飼い猫のマロちゃんが家具を前脚で叩き始め、不思議なことに気配は消えたそうだ。
実は夫には、これ以前にも忘れられない恐怖体験があった。20代の頃、コインランドリーへ通う途中にある一軒の空き家の前を通るたび、理由の分からない不気味さを感じていたという。何かが見えるわけではない。それなのに、なぜか視線を感じ、近づくだけで恐ろしくなる。そんな違和感の正体を確かめるため、ある日、心霊現象をまったく信じない友人と現場へ向かった。
ところが、その友人も家の異変に気づく。ドアには複数のお札が貼られていたのだ。「中に何かを閉じ込めているってことじゃないの!?」と夫は当時を振り返りながら震えたという。
さらに、キタハタさんによると「夫はこの空き家で感じた気配が人生で一番怖かったそうです。不穏な空気の発信源がその空家と気づく前は、近くを通るたびに視線を感じていたと言っていました」とのこと。
そして話が終わったそのとき、マロちゃんは再び何もない場所を見つめながら家具を「タンッ」と叩き始める。いったい猫には何が見えていたのか。理由が分からないからこそ怖い、じわじわと背筋が冷たくなる本作「黒くて怖くて大きいもの」を、ぜひ読んで欲しい。
画像提供:キタハタエミ(@emi_kitahata)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

