
『IQは生まれつき決まっていて、大人になってからは変わらない』という見方に異を唱えるのが、『記憶の出し入れがスムーズになる 衰え知らずの脳トレ習慣』を刊行した秋谷光輝さん。秋谷さんは公式プロフィールでIQ185を掲げ、独自のIQトレーニングサービス「ExpIQ(エクスピーク)」を展開している。今回は、年齢を問わず思考力を鍛えるという秋谷さんの「IQトレーニング」の考え方について、話を聞いた。

■秋谷さんが考える、IQは「未来を予測する力」
――IQが伸びるというのは、どのような状態になることだと定義しているのでしょうか。
【秋谷光輝さん】IQ(知能指数)は記憶力ではなく、思考力に近いものです。物事の背後にある変化パターンや法則を見抜く力、そしてそれに基づいた「この先の未来を予測・推測する力」が備わった状態を、IQが伸びた状態と呼んでいます。
――IQは生まれつきという誤解も多いですが、トレーニングを普及させようと思ったきっかけは?
【秋谷光輝さん】私自身がIQ185と認定された際、ほかの高IQ保持者との違いとして「自分がいかにして物事を見抜いているか」を言語化できる能力があることに気づきました。多くの人はこの見抜き方を知らないだけで、実はIQを伸ばす素地を持っていると考えています。実証テストで一定の手応えがあったため、サービスとして世に広める決意をしました。
■ビジネスに直結する「視点の切り替え」
――独自メソッド「6つの法則」にある視点の切り替えは、日常やビジネスでどう役立つのでしょうか。
【秋谷光輝さん】例えば通勤で「いつもの路線」が止まったとき、別の代替案を即座に導き出せるのが視点の切り替えです。ビジネスでも「この業界では当たり前」という既存の視点にとらわれず、別業界の当たり前を当てはめてみることで、新たな市場や解決策を見つけることに直結します。
――「6つの法則」のなかで、多くの人が特につまずきやすいものは。
【秋谷光輝さん】複数の変化が混ざり合っているものを見抜くことです。単一の変化なら誰でもわかりやすいですが、複数の要因が同時に加わると途端に複雑になります。売上の増減という1つの変化に対し、気温や流行、マーケティングなど、複数の要因がどう関わっているかを見抜ける範囲が、IQの高低で変わってきます。
■何歳からでも始められるという考え方
――諦めがちな中高年層に対し、最も伝えたいことは?
【秋谷光輝さん】IQは何歳からでも伸ばせる可能性があるということです。これまで具体的なトレーニングメソッドがなかっただけで、皆さんの思考の土台は、まだ色が塗られていない「真っ白なキャンバス」のような状態です。伸びしろがあることに自信を持ってください。
――受講生の最高齢は何歳くらいでしょうか。また、どのような変化が見られましたか?
【秋谷光輝さん】私の受講生のなかには、60代でJAPAN MENSAに合格した人もいます。現在は80代の女性もトレーニングに励んでおり、何歳からでも鍛えられる一例だと感じています。思考力の向上に伴い、記憶に関する変化を実感したり、自力で問題を解決できる自信がついたりと、精神面でも前向きな変化を感じる人もいます。
■性格や行動の変化について聞いた
――IQの数値の上昇以外に、どのような変化はあるのでしょうか。
【秋谷光輝さん】最大の変化は自信です。これまでわからないと諦めていたことがわかるようになることで、イライラやストレスが減り、気持ちの面でも安定しやすくなります。また、物事を見抜く自信がつくことで、やってみようという行動範囲が大きく広がる傾向があります。
――逆に、成果が出にくい人の特徴や共通の思考パターンは?
【秋谷光輝さん】否定的な意識、いわゆる疑ってかかる見方をしてしまう人です。「自分にできるわけがない」という否定のフィルターがあると、考え方もその方向に引っ張られやすくなります。また、今までの自分の思考パターンに執着しすぎるのも、成果を妨げる要因となります。
■スマホ検索の前に「仮説」を立てる

――新刊『衰え知らずの脳トレ習慣』のなかで、特に読んでほしいポイントを教えてください。
【秋谷光輝さん】ぜひ「はじめに」を読んでください。本書が大切にしているのは「答えは1つだけではない」という点です。唯一の正解を覚えるのではなく、日常の複雑な問題に対して複数の切り口を見つけることです。その柔軟な頭の使い方が、人生の成功にもつながると信じています。
――今日からすぐに始められる、頭を働かせるための小さな習慣を教えてください。
【秋谷光輝さん】常に「なんでだろう?」と疑問を持つことです。そして、すぐにスマホで検索する前に「自分なりの仮説」を導き出すプロセスを挟んでください。「なぜ海の中で昆布からダシが出ないのか」といった自問自答のステップが、思考のトレーニングになります。

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