
野菜炒めは、2人分程度であれば、野菜をシャキシャキに仕上げるのは簡単。
でも、4人分となるとどうでしょう。鍋の中は野菜でいっぱい。炒めるどころの量ではない。そう、野菜炒めは量が増えると、おいしく仕上げるのが途端に難しくる料理なんです。
これを解決して、家庭で作りそうな量を網羅的にカバーできるレシピを作れないか。
これが僕の野菜炒めのレシピの原点でした。
僕がレシピ開発をする際、必ず最初にしていることがあります。
それは、テーマになる料理の「おいしいの定義付け」です。
今回のテーマ「野菜炒め」の「おいしい」を定義してみます。
①野菜がシャキシャキでベチャッとしていない②肉がジューシーで柔らかい
③香ばしい風味がする
④味がぼやけずキレが良い
おそらく、多くの方に納得いただける定義かと思います。
①は野菜を適切な量で炒めることで、②③は肉の焼き方で、④は調味料の配合や野菜から出る水分を抑えることで、それぞれ解決できそうです。ここまで明確になったら、次は調理の最適解に落とし込みます。
「野菜炒め」の調理工程で肝になる3つのコツとは?調理工程に落とし込む際に大切にしているのは、各工程の「部分最適」ではなく、料理として完成した時においしく仕上がるための「全体最適」の考え方です。多くの人が再現可能な「良い塩梅」を踏まえて、おいしさの肝になる3つのコツをご紹介します。
◆先に野菜を炒める結論:各野菜毎に最適な火入れをする (①④の最適解)
そもそも、家庭で使う鍋のサイズ(大きくても30cm)と、4人分以上の食材の量がミスマッチなんです。裏を返せば、適切な量に分けて炒めれば、一気に簡単になるわけです。
ということで、たどり着いた最適解がこちら。
・玉ねぎ、ピーマンは、フツーに炒めて取り出す
・キャベツ、もやしは、蒸し焼きにして取り出す
・にんじんは、焼くように炒める (色がつくのでにんじんは最後に)
それぞれ炒めたら取り出します
これなら、それぞれの調理は簡単。ですよね?
◆肉に焼き色をつける結論:重なったまま強火で焼く (②③の最適解)
スーパーに売っている豚バラ肉は重なった状態でパックに入っています。
この重なっているのを剥がさず、そのまま4〜5cm幅に切る。
切ったかたまりを1枚の肉のように捉えて、片面だけに焼き色をつける。
そうすると、メイラード反応による香ばしい香りは出つつも、重なった部分や焼いていない面は緩やかに火が入るので、柔らかくジューシーに焼ける。
また、焼け方に多少ムラが出るのも炒め物っぽさが出て良い。
調理が楽な上に、香ばしさと柔らかさという相反する調理まで実現できる、画期的な方法なんです。
結論:余熱による脱水で出た水分を取り除きつつ合わせられるからしっかり味付けできる(④の最適解)
ここまできたらあとは楽勝です。
野菜と肉を合わせて、調味料を入れたらいいだけなので。
しかも、取り出しておいた野菜から出た水分は合わせる前に水切りしてしまえば、ベチャッとせず、調味料が薄まって味がボケる心配もありません。
<まとめ>
3つのコツを押さえれば、いつもの野菜炒めがお店のような味に仕上がること間違いなしです。ぜひお試しください。
こじまぽん助/分子調理学をベースに「なぜおいしくなるか」を解説するレシピ動画をYouTube・クックパッドで公開中。

