子どもが小学生のころの話です。家計のために、ファミレスでパートを始めたのですが……。
パート先のお局様
職場にはそのファミレスで5年以上働いているお局ママさんがいました。そのお局ママさんは「こういう仕事したことないの!?」「接客向いてないわよ」などと、わざと大勢の前で注意してきます。
私自身、接客に慣れているつもりでしたが、客観的に見ると至らない点があったのかもしれません。しかし、あまりにも言い方が厳しくて……。いつも私は何も言い返せずにいました。
そんなある日、ファミレスに常連のお客様がやってきました。そのお客様はお局ママさんと一緒にいた私を見るなり「あれ? ◯◯うなぎ屋さんのお嬢さんだよね?」とひと言。実は、私の実家は地元では有名な老舗うなぎ店。私は子どものころから接客をたたき込まれて育ってきたのです。
常連さんの言葉を聞いた瞬間、お局ママさんの私を見る目が変わったのがわかりました。その話は、実家のうなぎ店に通っていたという店長にも伝わり、数日後には私が新人教育を担当するよう言われました。
それ以後、お局ママさんが私に嫌みを言うことはなくなりましたが、立つ瀬がなくなったようでしばらくしてファミレスをやめていきました。
うなぎは高価なので、お付き合いで買ってもらうことになったら申し訳ないという理由から、私は両親から自分の実家のことを口外しないようしつけられてきましたが、このときばかりは家業に助けられました。いざというときには、自分のために言ってもいいのかもしれないと思った出来事でした。
著者:山本百合子/30代・女性・パート。娘と息子を育てる母。結婚前は事務員として働いていたが、子どもが生まれてからはパートで時短勤務。ファミレス店員。
イラスト:マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)

