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無味で透明の“迷宮食材”…酒場の店主が絶品料理に仕上げ「透明なのに食欲そそられた」と反響【漫画】

無味で透明の“迷宮食材”…酒場の店主が絶品料理に仕上げ「透明なのに食欲そそられた」と反響【漫画】

『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より
『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より / (C)Ryo Amei 2026 (C)Hagane Kurodome /SB Creative Corp.

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、コミック3巻まで発売中の『冒険者酒場の料理人』(KADOKAWA刊、原作:黒留ハガネ/キャラクター原案:転/漫画:飴井涼)の十一品目を紹介する。漫画担当の飴井涼さんが、4月27日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、7000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、原作の黒留ハガネさんとキャラクター原案の転さん、漫画の飴井涼さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■歌声と共にヨイシの店へやってきた吟遊詩人
『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より
『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より / (C)Ryo Amei 2026 (C)Hagane Kurodome /SB Creative Corp.


酒場の店主・ヨイシの元に、各地を旅しながら歌ってまわる吟遊詩人の歌が風にのって届いてきた。その歌声を聴いたヨイシは「今夜演る酒場は決まってるのか?」と聞き、店で歌ってもらうことに。素敵な歌声に、店の客たちは盛り上がり、吟遊詩人はかなり稼ぐことができた。

合間に酒と料理を食べた吟遊詩人は、賑わい方と料理の美味しさに“まるでヨイシの酒場だ”と言う。それに対し「うちがヨイシの酒場だけど」と答えると、吟遊詩人はバッグから何かを取り出した。

しかしその手の上には何も乗っておらず、思わずヨイシは「…なんだ?」と聞く。見えないものの、そこに存在するのは「透明玉菜」。味がしないその食材を使い「美味いもん作ってやる」と言ったヨイシだが…。

このエピソードを読んだ人たちからは、「透明なのに食欲そそられた」「1番アニメ化してほしい漫画」「謎を紐解く過程の漫画が好き」「この話も面白い」など、多くのコメントが寄せられている。

■原作・黒留 ハガネさん「現地料理文化へのリスペクトをもって書いています」、キャラクター原案・転さん「時間がかかったのは断トツで主人公のヨイシです」、漫画・飴井 涼さん「この回は原作を読んだ時から絶対素敵なシーンになると思っていて、自分でもよく描けた回だったと思っています」
『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より
『冒険者酒場の料理人/十一品目透明玉菜』より / (C)Ryo Amei 2026 (C)Hagane Kurodome /SB Creative Corp.


⚫︎原作・黒留 ハガネさん

――『冒険者酒場の料理人』はどのようにして生まれたのでしょうか?きっかけや理由がありましたら教えてください。

『世界樹の迷宮』というゲームがあるのですが、当時、そのリマスター版が発売されました。瞬間、私の頭の中に溢れ出す歴代ゲームシリーズの楽しすぎる思い出の数々。で、アツくなって世界樹の迷宮の物語を書こうと思ったのですが、ゲームの話をそのまま小説に書き起こしても単なるパクリだし、そんな小説読むなら素直にゲームやった方が良い。

だからゲームを補完するような形の小説を書きました。ゲームが「迷宮を冒険する冒険者のストーリー」なので、「迷宮を冒険する冒険者を支える人々のストーリー」にしようと思ったんですね。要するに、これはゲームの冒険者が冒険前に食事バフをかけるために立ち寄る食堂を雛形にした話なのです。

――『冒険者酒場の料理人』が漫画化されたときのお気持ちについてお教えください。

漫画化の話は書籍版出版社(SBクリエイティブ)ではなく、別の会社(KADOKAWA)からもらいました。困惑しました。水面下で書籍化進行中(公式未発表)の段階だったので、書籍化と漫画化の話が完全に別口で来た形になります。書籍版出版社さんに不義理になると思い、別会社による漫画化の話はお断りしようと思ったのですが、念のため漫画化経験のある友人に詳細を伏せて相談したところ、「相談すりゃいいじゃん(意訳)」と言われました。

確かに、と思ったので、書籍出版社の方に「別の会社から漫画化打診が来てるんですが、どうなんですかね?」と相談しました。そしたら二社間で合意がとれ、漫画化しました。いいんだ……?と思いました。だから、漫画化されたときの気持ちは「いいんだ……?」です。いいらしいです。

――本作は、冒険者が持ち寄る素材を調理し美味しい料理を作っていくお話ですが、世界観を文章で表現する際に、こだわっていることや特に意識していることがあればお教えください。

色々こだわりポイントはありますが、異世界現地文化の尊重は特にこだわっています。本作の食材は、調理が難しいものばかりです。それを、主人公が試行錯誤して調理していきます。でも現地人もバカじゃありません。歴史上、名だたる料理人たちが寄ってたかって「この食材をなんとかして食えるようにできないか」と試行錯誤してきたはずです。

それなのに、例えば「日干しすれば食える」だの「小麦粉まぶして揚げれば食える」だの、単純明快な食べ方が判明した場合、まるで現地人が単純な方法を試しすらしなかったバカみたいになってしまう。だから、本作に登場する食材の調理法は、一般的な調理法試行錯誤では決して辿り着けない、これなら今まで調理法未発見でも仕方ないと思えるような、一風変わったものになっています。

本作の世界には、現代日本とは違う、現地特有の形で発達した料理文化がある。現地料理文化へのリスペクトをもって書いています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

楽しみにしていて良かった~!と思える作品をお届けできるよう、小説続刊を鋭意制作中です(※)。お楽しみに!!!

※小説書籍版は3巻まで発売中。

⚫︎キャラクター原案・転さん

――本作のキャラクターを体現するにあたり、悩んだ箇所や時間がかかったキャラクターについてお教えください。

時間がかかったのは断トツで主人公のヨイシです。初めて『冒険者酒場の料理人』を読んだ時、ヨイシは「一筋縄ではいかないキャラだ」と感じました。鷹揚な人柄から時折見える頑固さと執着心。ヨイシは主人公的な穏やかさを持ちつつも、「興味のあることにしか興味がない」人のように思えました。彼の有するそのバランスを表すには、「一般的な転生主人公像」を描くだけでは足りないと思ったのです。

最終的に黒留先生と編集さんに何度も修正に付き合って頂き、現在のアシンメトリーなデザインとなりました。ヘアバンドはラーメン屋の店長のイメージから(勝手な妄想ですがヨイシはラーメン好きそうだな~と)。顔や体の傷は、平和な現代から突然、自衛必須のファンタジー世界に来たら最初に大怪我を負うのは免れないだろうなと、自然と思いついたものです。

ただ、この案を通して下さった黒留先生と編集さんはかなり心が広かったと思います…!結果として顔に十字の傷があることが、穏やかな彼の中にある強い好奇心を表しているようで気に入っています。(一撃喰らった後もモンスター(未知の生物)から目を逸らしていない証ということで。)

――キャラクター原案をデザインする上で、ストーリーのなかで語られていない設定がありましたら、お教えください。

自分はTRPGが好きでよく遊ばせてもらっているのですが、ファンタジーTRPGである『Dungeons&Dragons』では状況に合わせて近接武器と遠隔武器を持ち換えて戦うことがよくあります。

冒険者たちもそういう状況になることがあるんだろうな~と思い、魔法使いのセフィには近接用のダガーを、剣士のユグドラにはショートボウ、アカルナニアには投擲用ダガーを持ってもらっています。いつか使っているところを見れたら面白いですね。

――特に思い入れのあるキャラクターを挙げるとしたら、誰でしょうか?理由とともにお教えください。

ユグドラとセフィです。この2人はRPGで男女どちらか選べる主人公をイメージしてデザインしました。最初に思いついたデザインでもあり、一発でデザインが通ったのもあり。とても気に入っている2人です!あとは小説3巻に出てくるシリカジリルも、古さと新しさがちょうどいい塩梅の可愛いデザインになったなと思います。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

ファンタジーRPGの世界で魚釣ったりごはん作ったり家を建てたり、「生活」をするのが好きな方にはハマる作品だと思います。またヨイシと同じようにひたすら試行錯誤ができる研究者気質な方も楽しめる作品かと。ぜひ『冒険者酒場の料理人』を読んで、お気に入りのメニューを見つけてみてください!

⚫︎漫画・飴井 涼さん

――美味しい料理を食べたときやヨイシが閃いた際の表情がとても豊かです。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

表情が固くなりすぎず、ヨイシのちょっと抜けた性格が出るような表情を考えながら作画しています。

――本作では、ヨイシについて吟遊詩人が歌うシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

この回は原作を読んだ時から絶対素敵なシーンになると思っていて、自分でもよく描けた回だったと思っています。ヨイシの酒場ではどんな人間も受け入れられていて、みんながヨイシの酒場を愛していることが見開きのシーンで伝わっていたら嬉しいです!

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

1話にもありますが、「俺はただの酒場の料理人だ」という言葉が、この作品のテーマだと思っているので、とても大切な一文だと思っています。ただの酒場の料理人が、たくさんの人に小さな幸せを与えたり、誰かの人生のキッカケをつくったりするお話なので!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも読んでくださってありがとうございます。これからもヨイシたちの小さな冒険を温かく見守っていてください!

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