将来的な妊娠に備えて、卵子を凍らせて眠らせておく「卵子凍結」。ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、卵子凍結を検討する女性も増えています。今回は、卵子凍結は誰でもできるのか、また妊娠をする確率について「田中レディスクリニック渋谷」の田中先生に解説していただきました。

監修医師:
田中 つるぎ(田中レディスクリニック渋谷)
群馬大学医学部医学科卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。関東労災病院、東京大学医学部附属病院、山梨大学医学部附属病院、国立国際医療研究センター病院、三井記念病院などで経験を積む。2024年より、東京都渋谷区に位置する「田中レディスクリニック渋谷」に勤務。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本産科婦人科遺伝診療学会認定医。日本生殖医学会、日本女性医学学会、日本抗加齢医学会、日本人類遺伝学会の各会員。
編集部
凍結した卵子は、どのようにして使うことができるのでしょうか?
田中先生
卵巣から採取された卵子は、-196度という超低温の液体窒素中で保存されます。そして、妊娠を希望するタイミングで凍結した卵子を融解し、卵子と精子を受精させます。しばらく受精卵を育てた後、子宮内に受精卵を移植します。その後、受精卵が着床していれば妊娠が確認されます。
編集部
1回凍らせた卵子でも、その後に受精させることができるのですね。
田中先生
未受精の卵子は受精卵に比べて水分が多いため、凍結の影響を受けることが多いとされています。そのため、全ての卵子が受精できるわけではありませんが、卵子を融解した後に使える確率は90%前後と考えられています。また、受精が成功する卵子は凍結卵子の70〜80%とされています。
編集部
その後、妊娠に至る確率はどれくらいですか?
田中先生
凍結卵子を受精させて子宮内に移植をおこなった場合、着床する確率は17〜41%とされています。さらに、その後の出生率は凍結卵子1個あたり4.5〜12.0%とされています。
編集部
出産の確率を上げるには、卵子をいくつ凍結すればいいのでしょうか?
田中先生
35歳までの女性なら10〜15個程度の凍結卵子があれば、70〜80%程度の出産確率を見込むことができます。ただし、年齢が上がるにつれて妊娠率が低下するので、必要な凍結卵子数も増加します。個人差もあるため、詳しくは医師に相談するといいでしょう。
※この記事はメディカルドックにて<「卵子凍結」をするなら何歳がいい? 妊娠する確率や費用は? 卵子凍結に関する疑問を医師が解決!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
- 『卵子凍結』に「年齢制限」はある? 基礎知識と知っておきたい注意点を医師が解説
──────────── - 「卵子凍結の妊娠」と「自然妊娠」の成功や流産の確率に違いはある?【医師解説】
──────────── - 「卵子凍結」流れを不妊治療の専門医が解説 将来に向けて良質な卵子を保存するには?
────────────

