「うちでサッカーW杯、観戦するから」
夫が友人を自宅に招くこと自体は珍しくありません。しかし、人数が次々と増え、気づけば10人規模に――。そんな状況に戸惑う妻のSNS投稿が注目を集めています。
Threadsに投稿した女性によると、当初は数人程度と聞いていたものの、その後さらに参加者が増加。新築の一戸建てに大人数が集まることへの抵抗感に加え、応援による近隣への騒音トラブルも心配しているといいます。
SNSでは、「近所迷惑になりそう」「新居が汚れそう」「酒やタバコを禁止にしたほうがいい」といった共感の声が寄せられていました。こうした行為に問題はないのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
●夫婦間で十分な話し合いと合意を
──夫婦共有の自宅に、一方が相手の反対を押し切って大人数の友人を招くことに法的な問題はありますか。
夫婦共有の自宅について、一方が配偶者の反対を無視して大人数の友人を招く行為は、法的に全く問題がないとはいえません。
婚姻生活では、夫婦には互いに協力し、共同生活を円満に営む義務があります(民法752条)。
配偶者が反対しているにもかかわらず大人数を呼んで騒いだりすることは、相手の生活の平穏やプライバシーを著しく害するもので、この義務に反する恐れがあります。
そのため、自宅に友人らを招くときは、人数のほか、やって良いこと悪いことについて、夫婦間で事前に十分な話し合いと合意を得ることが必要でしょう。
単発の出来事だけで直ちに信頼関係が破壊されるとまではいえませんが、配偶者が嫌がっていることを知りながら同様の行為が繰り返されれば、夫婦間の信頼関係が破壊されたと評価され、離婚の際には「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると判断される可能性が高くなるといえます。
【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。札幌弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)、ともえ法律事務所(東京都中央区日本橋箱崎町)、弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)、NTS総合弁護士法人札幌事務所を経て、2025年12月からてらばやし法律事務所。離婚事件、相続事件などを得意としています。
事務所名:てらばやし法律事務所
事務所URL:https://www.attorneyterabayashi.com/

