大腸カメラの下剤問題は、前日の準備によって楽になることもあるそうです。下剤を楽に飲むコツなどについて、よりふじ胃腸内科・内科クリニックの依藤先生に教えてもらいました。

監修医師:
依藤 直紀(よりふじ胃腸内科・内科クリニック)
大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業。研修医を経て、大阪医科大学第二内科(消化器内科)に入局後、大阪医科大学附属病院(現・大阪医科薬科大学病院)、阪和住吉総合病院、第一東和会病院で消化器内科医として経験を積む。2022年、大阪府三島郡島本町に「よりふじ胃腸内科・内科クリニック」を開院。医学博士。日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化管学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医・認定内科医、難病指定医。
編集部
下剤を飲むのが辛いのですが、楽に飲むコツはありますか?
依藤先生
「下剤を飲むのが辛い」と感じる理由の1つに、下剤を飲む量が多すぎるという問題があります。そのため、量が多いと感じる場合には、モビプレップのように飲む量が従来品より少ない下剤を選択するといいでしょう。洗浄剤に加えて水も飲まなければならないため、飲む量の合計は従来の下剤とそれほど変わりませんが、下剤自体の飲む量は減るので辛さを軽減できるかもしれません。
編集部
ほかに、下剤を楽に飲むコツはありますか?
依藤先生
味自体も「飲みやすさ」に関係します。そのため、先述したスポーツ飲料のような味がするマグコロールPは、比較的飲みやすいという人が多いですね。ただ、スポーツ飲料のような味は苦手という人もいますし、どうしても液体の下剤が飲めないという人もいます。その場合には、錠剤タイプのビジクリアを水と一緒に飲むという選択肢もあります。
編集部
ほかにもありますか?
依藤先生
常温で飲むより、冷蔵庫で冷やした方が飲みやすい場合もあるので、試してみてもいいかもしれません。
編集部
検査前日に注意すべきこともあれば教えてください。
依藤先生
前日の就寝前に、別の下剤を内服することで早めに便が綺麗になり、当日に飲む下剤の量を減らせることもあります。また、下剤の効果を高めることに加え、下剤による体への負担を軽減するために、大腸内視鏡検査の2日くらい前から食事内容に気をつけることをおすすめします。消化の良い食事を摂ることで、下剤の効果を高めることができます。
編集部
具体的に、どのような食事を摂ればいいですか?
依藤先生
素うどん、お粥、豆腐、食パン、じゃがいも、卵焼き、バナナなどがおすすめです。食物繊維や脂質が少なく、消化速度が早い食材を摂るようにしましょう。
編集部
普段から便秘気味なのですが、下剤が効くか不安です。
依藤先生
そのような場合には、大腸内視鏡検査の数日前から準備をしておきましょう。消化の良い食事に加えて、酸化マグネシウムやセンナ系の便秘薬などをあらかじめ服用しておくと、検査前に服用する下剤の効果も良くなりますし、体への負担も軽減できると思います。
※この記事はMedical DOCにて【大腸内視鏡検査の下剤の種類と飲み方を医師が解説 下剤の違いで大腸カメラの辛さや効果も異なる?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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