日中、会社や学校へ行っているときにはトイレの回数は普通なのに、夜間だけ近くなる……。そんな悩みを抱えている人もいるのでは? もしかしたらその場合、薬などによる治療で改善できるかもしれません。多尿以外の夜間頻尿の原因について、かねみつクリニックの金光先生に教えてもらいました。

監修医師:
金光 俊行(かねみつクリニック)
2006年京都府立医科大学卒業。2006年京都第二赤十字病院初期研修医、2008年大阪大学医学部泌尿器科教室入局、2008年住友病院専攻医、2010年東大阪市立総合病院(現・市立東大阪医療センター)専攻医、2011年市立豊中病院医員、2012年JCHO大阪病院医長、2015年日本生命病院医長、2020年日本生命病院副部長。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、ロボット(da Vinci)手術認定医、緩和ケア研修修了医、SNM(仙骨神経刺激療法)講習修了医、臨床研修指導医、難病指定医。
編集部
下部尿路症状とはなんですか?
金光先生
膀胱や前立腺に異常が起こり、膀胱容量が減少することをいいます。膀胱容量の減少とは、少しの容量しか膀胱に尿を溜められなくなることを指し、その場合は夜間のみ頻尿になるのではなく、昼間にも頻尿になることがあります。
編集部
なぜ膀胱容量が減少するのですか?
金光先生
よくある原因に過活動膀胱が挙げられます。これは膀胱が過敏になって、本人の意思とは無関係に膀胱が収縮してしまう病気のこと。尿が十分溜まっていないのに排尿しようとして、急に我慢できない尿意が生じたり、我慢できずに尿が漏れたりします。
編集部
過活動膀胱の原因はなんですか?
金光先生
大きく分けて3つの原因が考えられます。まず1つめが脳や肝臓の疾患、糖尿病などによる神経因性。2つめが、前立腺肥大症や骨盤臓器脱などによる非神経因性。3つめが加齢や肥満などによる特発性です。このうち最も多いのは特発性で、過去には「日本では40歳以上の8人に1人が罹患している」という報告もありました。
編集部
残った「睡眠障害」についても教えてください。
金光先生
これは眠りが浅く、すぐに目が覚めてしまうという人に起こりやすいもの。目が覚め、トイレが気になって起きてしまうというものです。特に高齢者の人に起こりがちです。そのほか、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。
編集部
睡眠時無呼吸症候群が夜間頻尿の原因になることもあるのですか?
金光先生
はい。睡眠時無呼吸症候群の場合、途中で覚醒したときにトイレが気になり、排尿のために起きることは少なくありません。
編集部
夜間頻尿にはいろいろな原因が関係しているのですね。
金光先生
はい。実際には「睡眠時無呼吸症候群と前立腺肥大症」など複数の因子が重なって夜間頻尿を引き起こしていることが多く見受けられます。そのような場合には前立腺肥大症を治療しただけでは夜間頻尿を治すことができず、睡眠時無呼吸症候群へのアプローチも必要になります。そのため、夜間頻尿の治療では、治療効果を見ながらほかの因子が隠れていないか、注意深く観察することが重要です。
※この記事はメディカルドックにて<夜間のみ「頻尿」、日中は普通… 考えられる原因や隠れている病気を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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