長女が7歳・小学1年生のころ、学習発表会での出来事です。「ママ、見ててね」と毎日一生懸命にセリフの練習を重ねていたわが子。当日は朝から並び、前から2列目の席を確保しました。しかし、静まり返った体育館で発表が始まったそのとき、背後から突き刺さるような怒号が響き渡り、楽しいはずの時間が一瞬にして崩れてしまったのです……。
突然背後から怒鳴り声が!発表会が中断し会場が騒然
劇が始まり、子どもたちの小さな声が一生懸命に響く中、私は座ったままスマホで動画を撮影していました。すると突然、背後から「ちょっと! 見えないんだけど!」と鋭い声が響きます。振り返ると、50代くらいの女性の保護者が立ち上がり、腕を組んだまま私をにらみつけていたのです。
「座って撮っていますが……」とできるだけ冷静に伝えると、「頭が邪魔なの! 少しは周りを見たら?」と強い口調で返されます。「これ以上は下げられなくて……すみません」と答えた瞬間、「じゃあ撮るなってことよ!」と激しく怒鳴られ、その声が体育館中に響き渡りました。
その拍子に子どもたちのセリフはピタッと止まり、保護者席もざわつき始めます。わが子もセリフの途中で固まったまま、こちらを見ているのがわかりました。心臓がドクドクと鳴り、体が動かなくなってしまったそのとき、女性の先生がこちらへ駆け寄ってきて「発表を一度止めます」とアナウンスを入れました。
先生は私ではなく、その女性に向かって「ほかの方のご迷惑になりますので、こちらへお願いします」とはっきり伝えました。しかし女性は「納得できない! 私が悪いの?」とさらに声を荒らげました。
そこへ男性の先生も加わり、「これ以上は進行できません。ご退場をお願いします」ときっぱり一言。一瞬、会場がシン……と静まり返り、全員の視線がその女性に集まります。女性は「信じられない……」とつぶやきながらも、職員に促されてそのまま体育館の外へ連れ出され、ドアが閉まる音がやけに大きく響く中、その場の空気は一気に張り詰めました。
傷ついた娘の心のケアと、大人が守るべき環境への気づき
発表会が終わった帰り道、長女はいつもより口数が少なくなっていました。「ママ、私の発表ちゃんと見てた?」と不安そうに聞かれ、胸が痛くなったのを覚えています。「もちろん見ていたよ。セリフも大きな声で言えていたし、とても頑張っていたよ」と伝えると、娘は少し安心した表情を見せました。
そして「途中で怖い声が聞こえてびっくりした。私、何か間違えたのかと思った」と話し始めたのです。私は「あなたは何も悪くないよ。大人同士の問題だったから気にしなくて大丈夫。発表を最後まで頑張ったことが一番すごいんだよ」と何度も語りかけました。
帰宅後は、発表会の動画を一緒に見ながら、「ここ、じょうずだったね」「このセリフ、家でたくさん練習したもんね」と頑張った部分をたくさん褒めるように。すると長女は少しずつ笑顔を取り戻し、「緊張したけど楽しかった!」と言ってくれたのです。
あのとき改めて感じたのは、子どもは大人が思う以上に周囲の空気や言葉に敏感だということです。だからこそ、子どもたちの大切な行事では、大人が冷静に行動し、安心して発表できる環境を守ることが何より大切だと強く実感させられた出来事でした。
著者:佐々市 みなみ/30代女性。2018年生まれの長女、2021年生まれの次男、夫の4人暮らし。介護福祉士としてデイサービスに5年勤務後、出産を機に退職。現在は在宅ワークをしながら子育て中心の生活。効率重視だけど抜けているところも多く、バタバタな毎日。趣味はネットショッピングとコーヒータイム。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
※AI生成画像を使用しています

