
志尊淳主演の日曜ドラマ「10回切って倒れない木はない」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系/Huluにて配信あり)の最終話が6月14日に放送された。歩けなくなったことで桃子の負担になりたくない、と別れを選んだミンソク(志尊)と残された桃子(仁村紗和)のそれぞれの想い、そして波乱万丈だった2人の愛の行方が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
■波乱万丈×純愛ラブストーリー
本作は、秋元康氏企画のオリジナルストーリー。日本人の両親を事故で亡くし、韓国の財閥の養子・“キム・ミンソク”として育った男が、養父の突然死をきっかけに運命が一転。後継者の座を奪われ、次々に困難な状況に追い込まれる中、医師・桃子と出会い、愛を育んでいく。運命に翻弄されながらも諦めずに立ち向かっていく、波乱万丈×純愛ラブストーリー。
タイトルの「10回切って倒れない木はない」とは、「どんなに難しいことでも、何度も挑戦し続ければ必ず成功できる」という意味の韓国のことわざで、本ドラマの重要なキーワードにもなっている。
■笑顔が消えたミンソク
ミンソクが桃子に別れを告げ、韓国に戻って1カ月が経った。彼からは輝くような笑顔が消え、仕事にも復帰せず、ひきこもり生活を続けていた。拓人(京本大我)からのメッセージも既読スルー、ホテルの支配人・水島(矢柴俊博)とベルマンの夏目(松岡卓弥)からの電話も直留守状態だった…。
そんなある日、拓人は病院でミンソクの実父・優(田辺誠一)とバッタリ。息子の近況を尋ねた優に、拓人は彼がホテルを辞めて帰国したこと、連絡しても返事が無いことを伝え、せっかく大切なものを見つけたのに手放してしまったミンソクのことが悔しい、と優に告げた。

■日本と韓国でお互いを想うミンソクと桃子
ミンソクと桃子は、日本と韓国で離れていても、折に触れお互いを思い出していた。ミンソクは食事中に共に暮らす義兄・ヒスン(キム・ドワン)に「地球最後の日に食べたい物」を聞かれ、レストランでの桃子との会話を、桃子は姉・杏子(入山法子)が買ってきた韓国のカップ麺を見て、公園で彼と2人で食べたこと、そして2人とも川を見て、お互いの夢を語り合い応援すると決めたことなどが蘇り、会いたい想いが募っていった…。
桃子は、カップ麺が熱くて食べるのに苦労していた姉にフタで取り皿を作ってやり、ミンソクに教えてもらったのかと尋ねた姉の言葉をきっかけに彼への想いが溢れ出し、これまで我慢していた涙が一気に流れるかのように泣きじゃくった。

■息子を手放した実父・優の本心
一方ミンソクは、リハビリに病院へやってきたが、なかなか効果が出ない訓練を思い、そのまま帰ろうとした。すると、そこに彼の実父・優(田辺誠一)が。どうしても彼に伝えたいことがあった優は、拓人にミンソクの通院先を聞いて不自由な体で1人渡韓してきたのだった。
優は、相変わらずかたくなな態度のミンソクに、先日、ずっと会いに来なかったのは韓国で新たな生活を始めた息子の邪魔をしたくなかったからだと言ったが、実はそれだけではなく、突然歩けなくなり、息子とどう向き合えばいいのかわからなくなったからだった、と告げた。
もう一緒にキャッチボールしたり肩車してやったり、転んでも助けることもできない…息子に負担をかけてしまう自分に耐えられなかったのだ、との優の思いは、ミンソクの桃子に対する思いと全く一緒だった。
「僕が弱かったんだ」という優の言葉は、そのままミンソクに跳ね返った。苦労しても父と一緒に居たかったと思った自分…それは、「それでもいい」と言った桃子も同じ気持ちだったことにやっと気付いたのだった。

■「後悔しない道を選んでほしい」
優は、ジョンフンが教えてくれた「10回切って倒れない木はない」という言葉を胸に生きてきたはずなのに、諦めて息子を手放してしまったことを今までずっと悔やんできた、と涙ながらに打ち明けた。そして、ミンソクには自分と同じ道を生きてほしくない、後悔しない道を選んでほしい、と切実に訴えた。
ミンソクは、ジョンフンが息を引き取る間際に何か言おうとしていたのは、実父が生きていることを伝えたかったのではないか、と優に告げ、ジョンフンがミンソクと優の再会を望んでいたのだと思う、と語った。ミンソクは優の気持ちを理解し、ゆるすことにしたのだろう。
優は帰る間際に、拓人から預かってきた物がある、と言って、1枚の紙を差し出した。それは、拓人とミンソクがよく行っていた居酒屋のサービス券だった。優が「また行こう」という拓人の言葉を伝えると、サービス券を見ながらミンソクが笑った。そんな彼を見て、「いい友だちを持ったんだね」と言った優に、ミンソクは嬉しそうに「うん」と頷くのだった。

■日本に向かうことに決めたミンソクの前に…
帰宅したミンソクは、久々に実母が書いた絵本「10回切ってたおれない木はない」を読み返してみた。行く手を塞ぐ大木を何度も諦めずに切る主人公の物語を読みながら、彼はこれまでに起こったことを思い返した。9回切っても木は倒れず、主人公は諦めるが、「最後にもう1回」と勇気を出す。だが「もし倒れなかったら…」と怖くなり、挑戦を躊躇する。その時、周りの仲間が口々に「頑張れ」と応援して…。その物語は、まさに今のミンソクの物語だった。
ミンソクは自分も「10回目」に挑戦することを決め、再び日本に行くことにした。空港へ向かおうとした時、目の前に桃子が立っていた。桃子は映里(長濱ねる)から「欲しいものがあったら、どんな手を使ってでも後で悔いが残らないように絶対に取りにいって。たまには、私みたいにワガママになってみて」と伝えられていて、それを実践したのだ。

■「あなたは、ずぅっと探してきた“僕の居場所”です」
ミンソクを漢江へ連れて行った桃子は「ミンソクさんはウソつきです」と一言。「ずっとそばに居る、って約束したくせに…ウソつき」と怒りをぶつけた。そして、ミンソクと別れた後、自分が自分じゃなくなったようだった、と言い、「ミンソクさんのせいです。どうしてくれるんですか!?」と強い口調で彼を責めた。
そんな彼女に、ミンソクは「ご飯がおいしくないんです」と告げた。「リハビリでほめられてもうれしくないし、漢江を見ても何も感じない…あなたが居ないから」と続けた彼は、桃子と離れてみて、彼女が居なくてはダメなのだと気付いたことを伝えた。
そして彼は「そばに居たいんです、一緒に居たい。あなたと生きていきたい。楽しいこともうれしいことも、つらいことも苦しいことも、全部分かち合って…」と、想いを溢れさせ、「あなたがあなたでいられるような居場所であり続けたい」と、彼女を見つめた。
涙を流しながら頷く彼女に、ミンソクは「あなたは、ずぅっと探していた“僕の居場所”です。僕と一緒に生きてください」と手を差し伸べた。桃子は、その手を握り返して力強く「はい!」と答え、2人はもう離れないようにいつまでも抱き合った。

■ミンソク、再び“居場所”の診療所へ
ミンソクは、誤解から長年彼を憎み、取り返しのつかない罪を犯した義母・キョンファ(キム・ジュリョン)の心からの謝罪を受け入れることにした。そして、「ファングムジャパン」の統括マネージャーとして、日本に戻ることに。デスクワークより現場が性に合っているようだ。そして、彼の“居場所”・風見診療所に再び住み、“心の居場所”である桃子、そして拓人や院長、こども食堂の子どもたちなどに囲まれて、以前のような輝く笑顔で暮らすのだった。
義父の死後、孤立無援状態で日本に来たミンソクは、気付けば多くの温かい仲間たちに囲まれていた。まだ歩くことはできないが、「10回目に倒れた木」のように諦めなければいつか歩けるようになるかもしれない。
視聴者からも「ハッピーエンドで良かった」「今度こそお幸せに」と、ミンソクと桃子の行く末を温かく見守るコメントが相次いでいた。
なお、Huluでは、本ドラマと趣を変えたラブコメ推理劇「『10回切って倒れない木はない』Huluオリジナルストーリー〜思い出せない記念日〜」を独占配信中だ。
◆文=鳥居美保


