「河合塾からクビを言い渡された」 50代で失業した講師が最高裁で「労働者性」を勝ち取るまでの12年

「河合塾からクビを言い渡された」 50代で失業した講師が最高裁で「労働者性」を勝ち取るまでの12年

●「非正規の蔓延は日本が衰退した原因の一つ」

佐々木さんは現在、河合塾ユニオンの上部団体である「横浜地区労働組合協議会」の議長として、塾や予備校の講師だけでなく、大学非常勤講師などの非正規労働者とも連携している。

「業務委託では交渉できないと労働者自身が諦めてしまっていたのが現状でした。それに慣れ、権利も放棄し、やりがい搾取もされてきた。非正規の蔓延は日本が衰退した原因の一つです。

でも、今回の判断で、業務委託であっても、労働組合法上の『労働者』にあてはめやすい状況は作れたと思います。ただ、使っていただかないと何の意味もありません。

労働運動の到達点は、みんなで少しずつ進めるものです。たとえ少数でも構いません。右でも、左でもなく、みんなでバトンをつないでいきたい」

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