「VIVANT」続編放送間近…愛され俳優・阿部寛 唯一無二の魅力を振り返る

「VIVANT」続編放送間近…愛され俳優・阿部寛 唯一無二の魅力を振り返る

阿部寛、62歳の誕生日 「VIVANT」続編は 7月26日(日)より放送開始
阿部寛、62歳の誕生日 「VIVANT」続編は 7月26日(日)より放送開始 / イラスト=ベブ

大阪府出身、バブルに間に合わなかった昭和生まれ、菓子より酒、ひょうきん族よりドリフ派を自称するイラストレーター&コラムニスト・ベブさんが、気になる俳優やタレントを愛をこめたイラストにして自由きままに語るコラム。記念すべき第1回は6月22日に62歳の誕生日を迎えた圧倒的存在感を放つ俳優・阿部寛をチョイス。

■顔は出てくる“あの男”

昼下がりの喫茶店、ジム帰りと思しきおばちゃん達の会話についつい聞き耳。「あの人が出てるドラマってハズレなくない?」どうやら名前が出てこないご様子。

誰だろうと思っていたら次々ヒントが来ました。「デカい・目力・イタリアのお風呂のやつ…」うむ。目を閉じて思い浮かべるあの男、阿部寛である。

「テルマエ・ロマエ」(Leminoにて配信中 )はタイムスリップものながら、古代ローマ時代の浴場と日本の風呂を舞台とする異色のコメディ漫画だ。実写化の際、ローマ人を演じたのは市村正親・北村一輝・宍戸開等々…と、どなたも濃~い男達。で、主人公ルシウス役が阿部寛である。

とにかくローマ時代のパートが好きだ。湯気も裸も熱い。あと裸といえばハマリ役、声優参加のケンシロウも実写化を希望。「お前はもう死んでいる!」淡々と秘孔を突き、ラオウと対峙する寛。うん、今ならワイルドさも増してよりハマりそうだ。

一方で流石理系出身の彼、「TRICK」(の変人学者は独特のいい味が出てた。で味といえば、某Aの素のホイコーローを貪る寛も外せない。「うちは昨日、朝昼晩ホイコーローでした。」などと近所の人にサラリ言ってのけるホイコーロー狂いの父親そのもの。あとは、そうねえ…漫画そのままの「自虐の詩」、感動した「下町ロケット」。で忘れちゃいけない「バブルへGO!!」も…って止まらんー!

時期はバラバラながら鮮明になってきた阿部寛の存在。これまで意識してなかったが、その役をきっかけに次々作品を思い出せる!けどほんとにハズレなく面白い作品ばかりなの?出演作を調べるべく、愛で溢れたフリーなネット辞典(所謂Wikipediaです)を開くと

「モデルノリで女優をナンパ。スポーツ紙の餌食に。その後数年パチンコで生計を立てる」「焼き芋が大好物すぎて買占め、しまいに店員に隠される」「滑舌悪い感じでモノマネする芸人へのダメ出しで噛んでスタジオの爆笑を誘う」…マジで?(笑)

これはなかなか興味深い。おいおい阿部寛、面白いじゃないか。

■「結婚できない男」から20年遅れで恋に落ちる

その夜ついに阿部寛が夢に出た。これは、もう、恋なの?早速サブスクで名前を検索、思いのほか大量の作品が。驚きである。手始めに、当時“いけ好かねえ元モデル男が結婚から逃げる話”と決めつけていた「結婚できない男」(Leminoにて配信中)からいくか。やたら母がドはまりしていて一度は勧められた作品だ。まあ、見てみようか。

はい10話鑑賞。標準速度で一気見です。

結論から申し上げます。結婚できない男、桑野信介=阿部寛がヤバい。(20年遅い)

デカい男が猫背でちこちこ歩き、犬を凝視。独り高級ステーキを楽しんでは毒を吐く。主に女性にガチ正論、相手を泣かせてしまうこともしばしばで結婚は難しいタイプかもしれないが仕事はできる男である。有能な建築家であることでギリギリ何とかやれてる感じ。そんな彼が様々な出来事を通して友人?達との関係を見直していく40男の成長物語。…なのだが、奇妙なことにこのドラマの視聴者は回を重ねるにつれ「結婚できない男」桑野信介を自然と応援しているのである。

実は視聴者だけが“本当の桑野”を知ってしまっている。これが実にはがゆい。そして面白い。

■桑野が寛で寛が桑野で

いや、フィクションなんですよ。けれど何故か恋愛リアリティショーを見ている錯覚に陥ります。彼を取り巻く女性陣や家族が気付かない、ホロリ心を揺さぶる意外な一面。それを視聴者にだけ垣間見せてくれることで、一見面倒な偏屈男でも「いや、ほんとは良い奴なんですよ、ちゃんと悩んでるんですこの人。ね、わかるでしょ」と私達は皆お節介おばさんになってしまう。

この、不器用で鋭いんだか鈍いんだか訳わからん絶妙な男について、愛らしい。と思わせる俳優は阿部寛しかいない。いや、阿部寛って桑野なの?えっ桑野が阿部寛を演じてるの?そういえばテルマエ・ロマエの主人公も設計技師だったから実は桑野なの?うわ、もう混乱してきた。Wikipediaでの数々の阿部寛の笑っちゃうエピソード。疑ってたけど確信。

最高です、この作品というか阿部寛そのものが。(20年遅い)

■再会したあなたは…まるで別人でした

頭の上の方から、爽やかかつぎこちない笑みをたたえている綺麗な人。正直、第一形態:阿部寛は“モデル上がりのただのイケメン”と思ってました。デビュー作「はいからさんが通る」では馬とか軍服とかとってもお似合いだけど、やっぱりアイドル南野(ナンノ)ちゃんの眩しさが際立っていた。初期の「笑っていいとも!」では見た目の良さからタモさんに面白くいじられていた阿部寛は何となく浮いていた。そんな彼はいつの間にかお茶の間から姿を消して…

と見せかけてそうではなかった!

脇役から実力を伸ばし、満を持しての再ブレーク。ぐつぐつと煮詰まって深い味わいに。今や誰もが認める「実力者俳優 阿部寛」は、老若男女に愛される人となったのである。

■どうかしてるぜ『阿部ならべ』

以前TBS放送の特番クイズ番組「ドラマでクイズ!THEキリヌキ」に、とあるコーナーがあった。その名も「阿部ならべ」。阿部本人参加のクイズコーナーなのだが、これがちょっと普通じゃなかった。

(A)切実に訴える阿部 (B)涙を流し訴える阿部 (C)怒鳴り散らし訴える阿部

この3つの動画からドラマ作品のタイトルを当て、年代別に並べろという。

ところが背景も服も消してあり手掛かりが動く“阿部寛の顔”しかない。ご存じの通り阿部寛は老けない。手掛かりは髭の濃さ位か?激ムズ。いや、あの有名な阿部寛のホームページを作ったファンならいけるか?とにかく顔の圧が凄い。演技は真剣なのに顔しかないから。

え、すごく怖い。

でもものすごく面白い。愛が狂った方向に爆発していたこの企画。ご本人が正解していたかどうかも忘れるくらい腹かかえて笑ったので、再放送を切に望みます。

■ああ寛、どうしてあなたは阿部寛なの?

これだけたくさんの阿部作品が世に出ているのに、当初ピンとこなかったのはきっとこの顔圧のせいなのだ。

吸い込まれるようなあの大きな瞳を見ているうちに、いつの間にか異世界に連れていかれている。ああ何かドラマを見ていたような。けれど今は阿部寛の顔しか覚えていない…。でも癖になる。それは演じる本人から漏れ出す人柄を感じるからだろう。

嗚呼、愛すべき役者、阿部寛。サブスクのマイリストにはまだまだ沢山の彼の作品が控えている中、7月には「VIVANT」(Lemino・U-NEXTほかにて配信中)の続編が始まってしまう!時間が足りない!どうも底の見えない大きな沼にハマったようだ。

6月22日は阿部寛氏生誕62周年。お誕生日おめでとうございます!

イラスト・文=ベブ

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