「歯周病の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

「歯周病の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

進行した歯周病の症状

進行した歯周病の症状

歯周病が進行するとどのような症状が現れますか?

歯周病が初期段階から進行すると、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)に深刻な変化が生じてきます。まず、歯茎が少しずつ退縮し、歯の根本が露出することで歯が長く見えるようになります。さらに歯と歯の間に隙間が広がり、食べ物が挟まりやすくなるだけでなく、歯がぐらつき始めます。歯周ポケットが深くなり、膿が出てくる場合もあります。咬むと痛みを感じるようになり、食事がしにくくなることもあります。

歯周病を放置した場合に口腔内で起きることを教えてください

歯周病を放置すると、歯槽骨が徐々に吸収され、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。さらに噛み合わせが崩れ、残っている歯や顎関節にも負担がかかります。その結果、咀嚼や発音にも悪影響を及ぼし、口腔全体の機能低下につながります。

歯周病は身体以外にも悪影響を及ぼしますか?

歯周病は身体の病気としての影響だけでなく、日常生活や社会生活、さらには心の健康にまで悪影響を及ぼします。

歯周病は強い口臭を引き起こします。これは歯周病菌が作り出すガスが原因で、本人が気付かないうちに周囲に不快感を与えることがあります。また、歯茎が退縮し、歯と歯との間にすき間が生じることで、見た目が変わり、対人関係や仕事上のコミュニケーションに悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病が進行すると、歯がぐらつき、咬むことで痛みを感じることがあるため、硬いものが食べにくくなります。その結果食事内容が偏り、栄養バランスが崩れることがあります。
口臭や見た目の変化、食事の制限などが重なることで、自分に自信が持てなくなり、人前で話すことを避ける方もいます。心理的ストレスから生活の質が下がってしまうことも少なくありません。

歯周病の治療法

歯周病の治療法

軽度歯周病の治療法を教えてください

軽度歯周病では、歯茎に炎症がみられますが、歯槽骨の大きな破壊はまだ進んでいません。治療の中心は毎日のセルフケアです。正しい歯磨きの方法を身につけ、歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間の汚れをしっかり取り除きます。歯科医院では、専用の機器とフッ化物入り研磨剤を使用して、歯磨きで落とせない歯石や磨き残した歯垢を中心に清掃、研磨を行います。

また、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく、悪化しやすいことがわかっています。禁煙で歯を支える組織の状態が改善するため、歯周病のリスクが下がり、治療効果が上がります。どの重症度であったとしても禁煙を心がけましょう。

参照:『e-ヘルスネット「歯周治療の流れ」』(厚生労働省)

中等度の歯周病はどのように治療しますか?

中等度歯周病では、歯を支える骨が少しずつ溶け、歯周ポケットも深くなってきます。歯茎の腫れや出血も強くなり、口臭が気になる方も増えてきます。

治療では、歯の根の周囲まで徹底的にお掃除を行うルートプレーニングが行われます。また、噛み合わせの乱れがあると、異常な力が歯槽骨にかかり吸収されやすくなるため、噛み合わせの調整も行います。清掃性をよくするために、合っていない被せ物は必要に応じて外すことがあります。さらに症状が進んでいる場合には、歯周外科治療が検討されることもあります。歯周外科治療では、歯周病によって深くなった歯周ポケットや不良肉芽組織を除去し、歯根の表面を清掃することで、歯周組織の再付着や炎症の改善を目指します。また、必要に応じて歯槽骨の形態を整える処置を行うことがあります。

重度歯周病の治療法を教えてください

重度歯周病は、歯を支える骨が大きく失われ、歯がぐらぐらし、嚙みにくくなる段階です。放置すると歯を失う可能性も高くなります。治療では外科的な処置が必要になることがあります。歯周病が進行して歯がぐらぐらしている場合などは、全体のバランスや歯の状態を考えて早期に抜歯を行うこともあります。

配信元: Medical DOC

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