主人公のはるかさんは夫と息子の3人家族。やさしい義父と少しクセのある義母と同居しています。
夫とともにケーキとパンのお店『かぐら』の2号店を経営しながら、充実した日々を送っていました。
ある日、赤ちゃんを連れた義姉が突然帰ってきて同居することに。義姉は、執拗にはるかさんを嫌って嫌がらせしてきました。しかし、その理由は義姉が高校生のころ、義父とはるかさんの母の不倫現場を目撃したためだったのです。
義父の不倫相手の娘の自分が、今でも義姉を苦しめ続けていることを知り、今後もお店で働いていいのか悩むはるかさん。
しかし、同じお店で働くスタッフ・ふうかちゃんはその考えを真っ向から否定してくれました。
「私もはるかさんに出会ってなかったら義姉のようになっていた」
はるかちゃんがそう話す理由は5年前、はるかさんとふうかちゃんが出会ったころにありました。
当時、おなかが空いても食べ物を買うお金がなく、はるかさんを頼ってお店を訪れていたふうかちゃん。
体にはあざがあり、「親に心配なんかされてない」と話す彼女の様子が気になったはるかさんは、お店でパンを食べていかないかと提案します。
はるかさんが考案した試作品のパンを口にしたふうかちゃん。
その目からは、自然と涙があふれました。
そんなふうかちゃんの自宅では、絶望的な現実が待ち受けていたのです。
「あの女に似てダメな子ね」



























ふうかちゃんとの血のつながりがない継母は、ふうかちゃんが帰るや否やいきなり食器を投げつけました。
「今何時だと思ってんの? なんてだらしない子。あんたって本当にあの女に似てダメな子ね」
恐怖に怯えるふうかちゃんを気にも留めず、暴言を吐きます。
対して、実子である弟は溺愛しているよう。そんな家庭環境にあったふうかちゃんは、はるかさんと過ごす時間が唯一の救いとなっていたのでした。
◇ ◇ ◇
愛情に飢えていたふうかちゃんにとって、はるかさんの何気ないやさしさは大きな救いだったのでしょう。家庭環境を変えることはできなくても、誰かを思いやる行動は人の心を支える力になります。その小さな親切が、誰かの人生を前向きに変えるきっかけになるのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター あおば

