糖尿病予備軍といわれても、すぐに治療が必要ではありませんが、放置すると将来、糖尿病を発症するリスクが高まります。予備軍の段階で生活習慣を見直すことで、糖尿病の発症を防ぐことができます。この記事は、糖尿病予備軍と診断されたときに知っておきたい基本知識を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「糖尿病予備軍」の基準値はご存知ですか?予備軍の人が食生活で気を付けるポイントも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 規絵(医師)
旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。
糖尿病予備軍の基準

糖尿病予備軍とはどのような状態ですか?
糖尿病予備軍とは、血糖値が正常より高くなっているものの、まだ糖尿病と診断されるほど高くはない境界の状態のことをいいます。健康診断などで行う空腹時血糖と医療機関で行う75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の検査で、糖尿病の基準には達しないものの、将来糖尿病になるリスクが高い数値が出た場合にこのように説明されます。
参照:『1 章 糖尿病診断の指針』(糖尿病診療ガイドライン2024)
糖尿病予備軍とみなされる基準を教えてください
空腹時血糖と75gOGTT2時間値の組み合わせにより、糖尿病型、正常型、境界型に分けられます。空腹時血糖値110mg/dL未満かつ75gOGTT2時間値140mg/dL未満を満たすものを正常型とします。
糖尿病型は空腹時血糖値126mg/dL以上または75gOGTT2時間値200mg/dL以上のいずれかを満たします。また、随時血糖値200mg/dL以上も糖尿病型とします。正常型にも糖尿病型にも含まれないものが境界型です。これは、空腹時血糖値が110〜125mg/dL、75gOGTT2時間値が140〜199mg/dLで、正常より高いが糖尿病基準には達しない値の目安です。
また、HbA1cが6.0〜6.4%程度の範囲にあると「糖尿病予備軍の可能性が高い」と評価されることが少なくありません。これらの値はいずれも境界型や前糖尿病とも呼ばれる段階です。
参照:『1 章 糖尿病診断の指針』(糖尿病診療ガイドライン2024)
編集部まとめ
具体的には、主食の量や内容を見直し、野菜やたんぱく質を含む一汁三菜を意識した食事、甘い飲み物や間食を控えることが重要です。あわせて、有酸素運動や、可能であれば筋トレを取り入れ、体重を適正に保つことがすすめられます。喫煙、多量飲酒、睡眠不足やストレスの放置も血糖コントロールを悪化させるため、生活全体を整えつつ、定期的な検査で数値の変化を確認していくことが大切です。
参考文献
『1 章 糖尿病診断の指針』(糖尿病診療ガイドライン2024)
『糖尿病にならないために ~糖尿病予備軍である境界型糖尿病とは?』 (医療法人横浜博萌会 西横浜国際総合病院)
『糖尿病予備群といわれたら』(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)
『糖尿病の運動のはなし』(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)
『4 章 運動療法』(糖尿病診療ガイドライン2024)
『糖尿病を防ぐ食生活 ~「ちょっと血糖値が高め」の方へ』(とうきょう健康ステーション 東京都保険医療局)
『糖尿病の食事のはなし(基本編)』(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)
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