矯正装置をつけると「話しにくくなるのでは?」「部活動や楽器演奏ができないのでは?」といった不安から、治療をためらってしまう方も少なくありません。しかし、ほんの少しの工夫や心構えで、治療中の不快感を減らすことができます。そこで、矯正治療中の食事を快適にするヒントを、練馬関町かんけ歯科・矯正歯科の菅家先生に解説してもらいました。

監修歯科医師:
菅家 有美(練馬関町かんけ歯科・矯正歯科)
東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒業。同大学院歯学総合研究科顎顔面矯正学分野博士課程修了。東京大学医学部附属病院での臨床研修を経て、現在は東京医科歯科大学歯学部附属病院(現・東京科学大学病院)の非常勤講師も務める。練馬関町かんけ歯科・矯正歯科では矯正治療を担当し、見た目の改善だけでなく、むし歯や歯周病予防、全身の健康維持を目的とした治療を提供。患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立案し、矯正治療中のトラブルにもワンストップで対応する。日本矯正歯科学会認定医。歯学博士。
編集部
矯正治療中の食事に制限はあるのでしょうか? 避けるべき食べ物・飲み物はありますか?
菅家先生
ワイヤー矯正の場合は装置の破損や脱落を防ぐため、ナッツやせんべいなどの硬いもの、ガムやキャラメルといった粘着性のある食品は控えたほうがよいでしょう。また、糖分や酸性の強い飲料を頻繁に摂ると、むし歯や酸蝕症のリスクが高まります。マウスピース型矯正装置は食事の際に装置を外せるため、基本的に制限はありませんが、装着中は水以外の飲食を避けてください。どちらの装置でも、食後の丁寧な歯磨きがとても大切です。
編集部
矯正装置をつけた直後や調整後、痛みで食事がしにくい場合の対処法を教えてください。
菅家先生
痛みがあるときは、茶碗蒸しや豆腐、おかゆなど、やわらかくて噛みやすい食品がおすすめです。バナナやヨーグルトも栄養価が高く、食べやすいでしょう。また、噛む回数を減らせるように食材を小さく切ったり、細かく刻んだりすると負担が軽減されます。痛みが強い場合は、アセトアミノフェンを含む鎮痛剤を服用してもよいでしょう。無理をせず、食べやすい工夫をして乗り切ってください。
編集部
ワイヤー矯正で食べ物が装置に挟まりやすい場合、外出先での対処法や持ち歩くと便利なアイテムはありますか?
菅家先生
外出先では、「歯間ブラシ」や「携帯用歯ブラシ」、さらに「ワンタフトブラシ」と呼ばれる先の細い1本ブラシを持ち歩くと便利です。装置の細かい部分に挟まった汚れも落としやすくなります。ただし、こういった道具がない場合でも、水で強めにうがいをしておくだけでもある程度の汚れは取れるので、無理なくできる範囲から対応していただければと思います。
編集部
マウスピース型矯正装置は食事の際、必ず外さなければなりませんか?
菅家先生
食事の際は必ず外すようにしてください。装着したまま飲食をすると、食べかすや糖分がマウスピース内に残り、むし歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、飲食後はしっかり歯磨きをしてから再装着することも重要です。清潔な状態を保つことで治療の効果も高まり、トラブルの予防にもつながります。
※この記事はメディカルドックにて<矯正治療中は滑舌・食事に影響ある? 日常生活の工夫やコツも歯科医が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
- スマイルラインは歯列矯正で治せる?改善方法や治療法の選び方を解説
──────────── - 歯列矯正でEラインは治せる?横顔のバランスが崩れる原因や口元の突出を改善する方法を解説
──────────── - 歯列矯正をしたら将来入れ歯になりやすい?理由や歯並びを放置するリスクも解説
────────────

