乳房にしこりや痛みを感じると「もしかして乳がん?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。しかし実際には、乳がんではない良性の変化によって起こるケースもあるようです。今回は、乳がんと間違えやすい「乳腺炎」「乳腺症」について、「登戸ブレストケアクリニック」の土屋聖子先生に解説していただきました。

監修医師:
土屋 聖子(登戸ブレストケアクリニック)
琉球大学医学部医学科卒業。その後、聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科、那覇西クリニック乳腺科、HAKUブレストケアクリニックなどで乳腺診療の経験を積む。2024年、神奈川県川崎市に「登戸ブレストケアクリニック」を開院。医学博士。⽇本外科学会外科専⾨医、⽇本乳癌学会乳腺専⾨医、検診マンモグラフィ読影認定医、乳がん検診超音波実施・判定医。
編集部
一方で、乳腺症とは?
土屋先生
乳腺症は、女性ホルモンの影響で乳腺に生理的な変化が出た状態で、基本的には病気ではありません。月経周期や加齢、体調などによって乳房の状態が変化し、それが症状として表れることを指します。
編集部
どのような症状が出るのでしょうか?
土屋先生
しこりのような硬さを感じたり、乳房にハリや痛みを伴ったりすることがあります。乳頭から分泌物が出ることもありますが、通常は透明や乳白色です。これらの症状が月経周期にあわせて変化することも特徴の1つです。
編集部
乳腺症の診断や検査について教えてください。
土屋先生
マンモグラフィ検査や乳腺超音波検査で診断しますが、がんとの鑑別が難しいケースでは、造影MRI検査や針生検などの病理検査を追加することもあります。病気ではないとはいえ、検査で正しく判断することが重要です。
編集部
「治療が必要ない」というのは本当ですか?
土屋先生
基本的には治療を必要としない良性の変化です。痛みが強い場合には鎮痛薬や漢方薬を処方することもありますが、「カフェインや脂肪の摂取を控える」「十分に睡眠を取る」「ストレスを減らす」などの生活習慣の見直しが効果的なことも多く、薬を使わず自然に治まるケースが大半です。
※この記事はメディカルドックにて<「乳がん」じゃないのに胸のしこりが…乳腺炎・乳腺症の違いや対処法を医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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