
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2026年4月3日に作者の鍋谷やかんさんがX(旧Twitter)に投稿された『"正しいAI"の使い方』をピックアップ。本作はヤングエースUPで連載がスタートした『ノアの渡航券』の第1話にあたるエピソードだ。
本作がX(旧Twitter)に投稿されたところ、2,000件を超える「いいね」と共に多くの反響コメントが寄せられた。本記事では作者の鍋谷やかんさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■終末世界、生き残るために必要な条件は「男」

『ノアの渡航券』はWEBザテレビジョンで掲載中です
高性能AIに生活を管理される時代。人々にとってAIはなくてはならない存在となった。しかし電車でうたた寝していた蜂本よつばが目を覚ますと、世界は終わりを迎えていた。見渡す限り、現時点での生存者は呂久屋ヨウコと名乗る女性とよつばのみ。にわかに信じられない現状に、途方に暮れるよつばの前に現れたのは“AIによる人類救済機構「ノアの箱舟」”。
人類を救済し発展させるため、一対のオスとメスのみが「ノアの箱舟」に乗船し生存する権利が与えられるという。つまり生き残れるのはよつばかヨウコのどちらか一人。そして「人間のオス」を見つけることが条件となる。終末世界を生き抜くために二人は何を選択するのか…読者からは「ブッ刺さる」「気になるな」「よつば可愛い」「神すぎる」など多くの反響が寄せられている。
■「理不尽な現実」と向き合う誰かに刺されば

――生成AIが日常生活と切り離せなくなっている今、本作はフィクションでありながらゾクっとする現実味が感じられます。本作を創作したきっかけや理由があればぜひお教えください。
きっかけは数年前まで稀だった「AIの利用」という行動が、今では「まず何かする前にAIに相談する」というように当たり前になりつつある現状に恐怖を感じたことです。
人間の生活に入り込む技術としては進歩が早すぎると同時に“誰でも使用できる手軽さ”が日常を侵食してるように感じています。『ノアの渡航券』は、近未来SFホラーではあるあるの人工知能の暴走や支配を彷彿とさせる展開を周到しつつ、AIが更に進化し続けた先の末路を女子高生主人公・よつば目線で描くことを目的としています。
――冒頭シーンがとても衝撃的です。イジメと生成AIを関係づけるアイデアはどこから生まれたのでしょうか。
チャットGPTやGeminiなどを使っている方なら感じると思うのですが、今のAIアシスタントサービスは非常に人間に寄り添った答えを出します。
善性があるように見せてくる人工知能の答えは、自分から見れば親切で優しい言葉ですが他者から見たときに脅威になる可能性が大いにあると考えました。
いじめを肯定するAIは流石に現実では存在しないとは思いますが、いじめの“手段”はもしかしたら提案するかもしれない…そういったアイデアから生まれた冒頭です。
――本作のなかでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
この作品は発展しきったAIや滅んだ都内の描写を多く入れていますが本来描きたいものは「人間」です。
辛い現実や不条理に立ち向かえない人も立ち向かえる人も、等しく「今を生きている誰か」であることを肯定したい作品です。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください
1話のヨウコがよつばを山崎から助けたあとの台詞「この世界は1人きりで生きるには難しい」です。
一蓮托生でありながら、最終的な決着方法にじゃんけんを選んだ2人がこの先出会う「人」や「もの」を象徴するキーワードとして使っていきたいのでお気に入りです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
まだ全体の1割も出していない本作ですが「理不尽な現実」と向き合う誰かに刺さればと考えています。
よつばの秘密、ヨウコの秘密、これから出会う人々など、まだまだ二人に多くの展開が待ち受けていますので引き続き読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
『ノアの渡航券』はWEBザテレビジョンで掲載中です

