主人公は、木本家の二男・幹也のもとに嫁いだ梢。義母を始め、基本的にやさしい木本家の人々ですが、実は初めての訪問のときから、ちょっと困りごとがありました。それは、幹也の兄・草一の存在。この義兄、結婚せず、中年になっても実家に住み続けている、いわゆる「子ども部屋おじさん=(こどおじ)」で…。
木本家の二男・幹也と結婚した梢は、結婚前、義実家を初訪問したとき、下着姿で現れた、幹也の兄・草一の言動にドン引き。幹也によると、義兄は大学生くらいから家にこもるようになり、仕事をせず、充電期間中なんだそう。義父や義母はやさしく話しやすいのですが、義兄だけは結婚後もほとんど話すことはありませんでした。
ちょっとデリカシーには欠けるけれど、梢を常に気遣ってくれる義母。しかし、梢の出産時、義母と義兄が無断で分娩室に駆け込んでくる、産後直後に無理やり家族写真に入ってくるなど、梢は義母の信じられない行動の連続に驚きました。
その後、4歳に成長した息子・葉介は、毎週のように新しいおもちゃを買ってくれる義実家が大好きでしたが、少し与えすぎなことが梢は心配に。夫に相談してみましたが、夫は取り合ってくれません。事実、義実家では大人も楽をさせてもらっており、梢もついつい甘えてしまっていました。
そのうち、葉介は、欲しいと思ったものが叶えられないと、駄々をこねて、大暴れするように。梢は意を決して、義母に「葉介にものを与えるのを控えてほしい」と言ってみました。すると義母は、葉介を思う梢を褒めたうえで「しつけも大事だけど、葉介の笑顔を見るのが本当に幸せ」「ばあばと一緒のときくらい甘やかせて」と返すのです。
義母が席を外したときに、ペットショップで駄々をこねて暴れ始めた葉介。そんな葉介を一喝してくれたのは、普段ほとんど話さない義兄でした。そんな義兄の姿に驚きつつも、葉介に大切なことを教えてくれた義兄に梢は感謝するのでした。
一方、梢の実家では…
















ある日、梢の母から連絡があり、久しぶりに梢の実家に遊びにいくことに。夫・幹也を誘うと「気を遣うしなー」と乗り気ではない様子。息子・葉介を誘うと、あからさまに「イヤ」という表情で「えー」という葉介。続けて「(ママのほうの)おばあちゃんは、あんまりおもちゃを買ってくれないしなー」「(パパのほうの)ばあばは、何でも買ってくれるから大好き」と言われてしまったのです。
それでも、葉介を連れて、週末に実家に遊びに行った梢。すると葉介は実家に着くなり、ばあばやじいじに挨拶もせず「何をくれるの?」と言い始めました。すると父は「人に会ったらまずは挨拶。会って早々モノをねだるのはよくないぞ!」と言い、叱られてしまった葉介。
母は「来たばかりだから。おやつはたくさん用意してあるわよ」と、父と葉介をなだめて家に入るように言いましたが、葉介は不満な様子。梢は「木本のばあばの家じゃないだから、ほら、我慢してね」と言って、葉介の機嫌を取るのに必死だったのです。
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「おもちゃを買ってくれるから、パパ方のばあばは好き」「おもちゃをあんまり買ってくれないから、ママ方のばあばはあんまり好きじゃない」――。ついに葉介はこんなことを言い始めてしまいました。しかも、その発言をおもしろそうに笑って聞くなんて、夫・幹也の態度はあまり褒められたものではありません。また、葉介のわがままな態度を心配している梢も、葉介のご機嫌を取ることばかり考えて、よくない態度や発言を叱ったり、考えさせたりする様子はありません。
確かに、子どもは正直です。「うれしいことをしてくれる人、甘やかしてくれる人は好き、厳しく言う人、叱る人は嫌い」そういう思いがあるのは当然でしょう。しかし、いつまでもそんな態度を大人が是として認めていては、子どもは自分の役に立つかどうかで付き合う人を判断し、自分の成長につながるような厳しい環境は避けてしまうような人間になってしまいかねません。
梢の父は厳しいことを言っていると梢は感じているようですが、今の葉介には、悪いことは悪い、ダメなことはダメとちゃんと伝えてくれる大人が必要であるように感じます。実家で過ごす日々が葉介がひとつ成長するきっかけになるといいですね。
そして、私たちも、自分の子であろうとなかろうと、大人として、ダメなものはダメ、悪いことは悪いと、きちんと子どもに伝えられる存在でありたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 音坂ミミコ

