「超音波検査」も「内視鏡検査」も、聞いたことがある方が多いと思いますが、「超音波内視鏡(EUS)」はどうでしょうか。内視鏡検査と超音波装置の両方の特徴をもち、特に膵臓や胆道系の疾患の早期診断に有用なのだそうです。そこで、超音波内視鏡検査について「かわぐち消化器内科」の川口義明先生に解説してもらいました。

監修医師:
川口 義明(かわぐち消化器内科)
札幌医科大学卒業。横浜市立大学で研修後、札幌医科大学旧第二内科消化器グループに入局。横浜市立大学、 京都第二赤十字病院、東海大学医学部付属病院などで経験を積む。2017年、横浜市港南台に「かわぐち消化器内科」を開院、院長となる。医学博士、東海大学医学部客員教授、横浜市立大学医学部臨床教授。日本内科学会認定総合内科専門医、日本消化器病学会認定専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会認定専門医・指導医、日本肝臓学会専門医。
編集部
EUSはどんな疾患の診断に役立ちますか?
川口先生
EUSは、膵臓がんや胆道がん(胆のうがん・胆管がん)、膵のう胞、胃や食道の粘膜下腫瘍、リンパ節転移の評価などに有用です。特に、膵臓がんは早期発見が難しい病気ですが、EUSを用いることで1cm以下の、より早い段階での診断が可能になります。
編集部
では、EUSのデメリットはありますか?
川口先生
内視鏡にエコーが搭載されている分スコープが太いため、口からの挿入になることです。「鼻からよりも苦しい」というイメージを持つ人も多いと思いますが、苦痛軽減のため鎮静剤を使用するのが一般的です。またEUSは高度な技術を要するため、大病院など限られた医療機関でしか受けることができません。
編集部
EUSは大きな病院でしか受けられないのですか?
川口先生
基本的にはEUSは大病院や専門機関でおこなわれることがほとんどですが、たとえば当院のようなクリニックでも検査を受けられる医療機関もあります。EUSが可能なクリニックはまだかなり稀ですが、より身近な医療機関で膵臓や胆道の精密検査が可能になることで、早期診断のチャンスは広がっていきます。
編集部
健診などでどんな異常を指摘された場合、EUSを受けるべきですか?
川口先生
健診で膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなど)・腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)の高値、膵管拡張や膵嚢胞、膵腫瘍、胆のう壁肥厚、粘膜下腫瘍などを指摘された場合は、EUSによる詳しい検査を受けることをお勧めします。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあればお願いします。
川口先生
「膵臓がんは治らない病気」というイメージを持つ人も多いと思いますが、それは膵臓がんが非常に見つけにくく、多くの場合、発見した時点でかなり進行しているためです。早期に発見し、早期に治療すれば、多くの場合根治が可能です。健診で膵臓要精査となった方、膵臓がんのハイリスク(家族歴、糖尿病の新規・増悪の人、膵のう胞、慢性膵炎など)の人は、EUSをぜひ一度受けてみてください。
※この記事はメディカルドックにて<「膵臓がん」の早期発見に有用な検査をご存じですか? 『超音波内視鏡』を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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