「咳が出る」と一口にいっても、さまざまな症状があり、痰が出る、熱もある、喉に痛みがあるなどの違いによってある程度、疾患の鑑別ができることもあります。そこで、宮澤内科・呼吸器クリニックの能美先生に咳で受診する際の注意点について、話を聞きました。

監修医師:
能美 詩穂(宮澤内科・呼吸器クリニック)
聖マリアンナ医科大学卒業、昭和大学藤が丘病院(現・昭和医科大学藤が丘病院)呼吸器内科勤務。獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科での勤務を経て、現在は宮澤内科呼吸器クリニックで月曜日午前と水曜日に勤務中。
編集部
咳が続く場合や、咳だけでなく熱や喉の痛みがある場合には、どのような目安で受診すればよいでしょうか?
能美先生
一般に、咳が2週間以上続く場合には呼吸器科を受診することが勧められています。もちろん2週間以内であっても、咳のために夜眠れなかったり、仕事や勉強に支障が及んでいたりする場合には、早めに受診しましょう。
編集部
そのほか、「こんな症状が出たら要注意」というものはありますか?
能美先生
たとえば血痰や色の濃い痰が出る場合には要注意。肺がんや肺結核、非結核性抗酸菌症などの可能性が考えられます。また、熱がないのに咳が続くという場合は感染症、気管支喘息、COPDなどのほか、肺がんや肺結核の可能性も考えられます。そのほか胸痛を伴ったり、呼吸が苦しくなったりする場合にも早めに受診してください。
編集部
そのほか、咳で受診する際の注意点を教えてください。
能美先生
逆流性食道炎でも咳が出ることがあります。その場合、食事後や横になったときに咳が出やすくなるという特徴があります。また、高血圧の治療薬によっても咳が出ることがあります。もし高血圧で薬を常用している場合には、咳の症状で呼吸器科を受診する際に、おくすり手帳を持参するとスムーズです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
能美先生
咳や痰といった症状はつらく、日常生活にも支障をきたします。早く症状を改善するためにも専門科で早期に適切な診察、治療を受けましょう。昨今デジタル化した検査は多数あります。そんな中で、アナログと思われるかもしれませんが、聴診は何よりも大切です。たとえば、喘息では息を吐いたときにヒューヒューといった高い音が聞こえたり、COPDが増悪するとグーグーといったいびきのような音が聞こえてきたりします。冬場は厚着をしていたり、時には羞恥心もあったりするかと思いますが、診断に必要ですのでできるだけ聴診にご協力ください。
※この記事はメディカルドックにて<咳のタイプ別診断 痰・熱・喉の痛みの「あり」「なし」でわかる病気の違い【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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