もしかすると、白内障が理由で「免許更新ができない」ということも考えられます。そんな事態に陥らないためにはどうしたらいいか、みずたに眼科の水谷先生に詳しく話を聞きました。

監修医師:
水谷 武史(みずたに眼科)
名古屋市立大学医学部卒業、名古屋市立大学大学院医学研究科修了。大学病院や民間病院で臨床を積んだ後の2018年、愛知県名古屋市に「みずたに眼科」開院。「一人ひとりに向き合う診療」をコンセプトとしている。医学博士。日本眼科学会認定専門医。日本眼科手術学会、日本網膜硝子体学会、日本小児眼科学会の各会員。
編集部
白内障で免許の更新ができないなんてケースもありますか?
水谷先生
その可能性は考えられます。視力低下の原因が白内障であれば手術で治療可能ですが、更新期間ギリギリで視力検査に引っかかってしまうと、後がないですよね。なお、「やむを得ない理由」が認められると更新を6カ月まで後倒しできるものの、想定しているのは「海外滞在や入院」といったケースで、最悪、免許を失効するかもしれません。心配であれば、日程に余裕をもって眼科を受診して、視力が問題ないか確認することをおすすめします。
編集部
更新の1カ月前になって手術を予約するにしても、取れるとは限りませんよね?
水谷先生
そうですね。なので、まずは受診していただき、視力検査などで状態を確認しましょう。このとき、「運転免許の更新を控えている旨」をおっしゃっていただければ、検査結果に応じて眼鏡などの処方をアドバイスさせていただくこともできると思います。手術が必要な場合は、可能な範囲で更新に間に合うよう対応させていただきます。
編集部
手術の予約が間に合ったら、もう安心していいですか?
水谷先生
運転免許に限っていうなら、割合としては低いですが、新しい見え方に慣れてくるまで時間がかかる場合もあります。また、白内障以外の原因などで、術後免許の更新に必要な視力が出ないことも考えられます。可能であれば、余裕をもって、計画的に眼科を受診するといいですね。あるいは、免許更新時期にこだわらずに、半年前などに余裕をもって手術を受けてしまうというのもいいと思います。
編集部
とはいえ、免許の更新って通知が届いて、やっと思い出せます。
水谷先生
そのような場合は、更新通知が届いた段階で、できるだけ早く医師にご相談ください。検査の結果、手術や眼鏡の処方などが一切、不要ということもあり得るでしょう。他方で、運転免許の更新というゴールを設定した「余裕のある手術スケジュール」が組めるかもしれません。もし、間に合いそうにない状況であっても、できることを一緒に考えましょう。
※この記事はMedical DOCにて【白内障手術を受けた直後は、車の運転ができないのはどうして? 免許更新が近い場合はどうすればいい?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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