「ラーメンの塩分」を“下げる方法”とは?2つの主要な排出経路【医師監修】

「ラーメンの塩分」を“下げる方法”とは?2つの主要な排出経路【医師監修】

「塩分が多い」とよく言われるインスタントラーメンですが、摂取した塩分が身体の中でどのような変化をもたらすのかを理解している方は多くないかもしれません。ナトリウムの働きや過剰摂取によって起こりやすいこと、そして腎臓が担う塩分排出の仕組みについて、平易な言葉でわかりやすく解説します。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

インスタントラーメンと塩分排出①|塩分が身体に与える影響と排出の仕組み

インスタントラーメンを食べると「塩分が多い」とよく言われますが、その塩分が実際に身体にどのような影響を与えるのかを理解している方は少ないかもしれません。このセクションでは、塩分が身体に与える影響と、自然な排出の仕組みについて解説します。

ナトリウムの働きと過剰摂取が起こること

ナトリウムは身体にとって必要不可欠なミネラルのひとつです。神経の伝達や筋肉の収縮、体液の浸透圧(体内の水分バランス)の維持など、生命活動において重要な役割を担っています。ただし、適量を超えて摂取した場合には、さまざまな影響が現れる可能性があります。

過剰なナトリウムが体内に入ると、身体は濃度を保つために水分を溜め込もうとします。この状態が一時的なむくみを引き起こします。さらに、血液中の水分量が増えることで血管にかかる圧力が高まり、食塩感受性を有する方(高血圧患者・高齢者・腎機能低下者など)では、血圧が一時的に上昇することが知られています。長期的に高塩分の食事が続いた場合、慢性的な高血圧につながるリスクがあるとされており、心臓や腎臓への負担増加との関連も指摘されています。

ただし、1度インスタントラーメンを食べただけで直ちに重篤な影響が現れるわけではありません。身体には余分なナトリウムを尿として排出する機能が備わっており、健康な腎臓はナトリウムのバランスを調整する役割を果たしています。

腎臓による塩分排出の仕組み

腎臓は1日に約150~180Lの原尿を生成し、そこから不要な老廃物や余分なミネラルを尿として排出する臓器です。原尿の大部分は再吸収され、最終的に排泄される尿は1.0~1.5L前後になります。ナトリウムの排出も主に腎臓が担っており、摂取した塩分の大部分は24〜48時間以内に尿として体外へ排出されます。

腎臓の機能が正常であれば、インスタントラーメン1食分に含まれる塩分の余剰分は数時間から翌日にかけて徐々に排出されていきます。この排出を促進するためには、十分な水分摂取が有効とされています。水分が豊富にあることで腎臓のろ過機能がスムーズに働き、ナトリウムの排出効率が高まると考えられています。

ただし、腎臓に何らかの疾患がある方や、降圧薬などの薬を服用している方の場合は、ナトリウムの排出能力に差が生じることがあります。このような方は、食塩摂取量の管理について医療機関で相談することが推奨されます。

尿と汗による塩分排出の違い

塩分の排出経路は主に2つ、尿と汗です。尿による排出は腎臓が主役であり、量・速度ともに調整が可能な主要な経路です。一方、汗による排出は運動や入浴などによって促進されますが、汗1Lあたりに含まれるナトリウム量は個人差があり、約0.5~1.5g程度とされています。通常の日常生活における発汗では、尿と比べると排出量は限定的ですが、激しい運動や炎天下などの環境によっては相応の量になることもあります。

入浴(特に半身浴やぬるめのお湯)は発汗を促すことで、塩分排出の一端を担う可能性があります。ただし、入浴後には失われた水分を補給することが重要であり、そうしないと逆に脱水状態になるリスクがあります。運動による発汗も同様で、インスタントラーメン後に軽い有酸素運動(ウォーキングやサイクリング)を行うことは、代謝の促進と塩分排出の補助につながると考えられています。

まとめ

インスタントラーメンは、食後ケアや塩分の排出方法を知っておくことで、身体への影響を最小限に抑えながら楽しむことができます。食後の水分補給やカリウムの摂取、軽い運動の習慣が塩分排出を助け、罪悪感は折り合いをつけることで和らげることが可能です。大切なのは「食べてしまったこと」を責めるのではなく、次の食事での調整を積み重ねる習慣づくりです。食事への不安が続く場合は、内科や心療内科の外来での相談もお考えください。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

厚生労働省「健康日本21(第二次)栄養・食生活」

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

配信元: Medical DOC

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