将来的な妊娠に備えて、卵子を凍らせて眠らせておく「卵子凍結」。ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、卵子凍結を検討する女性も増えています。今回は、卵子凍結に対する素朴な疑問について、「田中レディスクリニック渋谷」の田中先生に解説していただきました。

監修医師:
田中 つるぎ(田中レディスクリニック渋谷)
群馬大学医学部医学科卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。関東労災病院、東京大学医学部附属病院、山梨大学医学部附属病院、国立国際医療研究センター病院、三井記念病院などで経験を積む。2024年より、東京都渋谷区に位置する「田中レディスクリニック渋谷」に勤務。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本産科婦人科遺伝診療学会認定医。日本生殖医学会、日本女性医学学会、日本抗加齢医学会、日本人類遺伝学会の各会員。
編集部
卵子凍結は何歳までできるのですか?
田中先生
医学的には閉経前までであれば可能ですが、日本生殖医学会のガイドラインでは、卵子凍結の実施は39歳までにおこなうことが推奨されています。また、凍結卵子の利用は、子宮の状態などを考えて44歳までにおこなうことが推奨されています。医療機関によって考え方は異なりますが、妊娠したときの健康状態などを考えて、当院では健康な43歳未満の女性を対象に卵子凍結をおこなっています。
編集部
保険は使えるのですか?
田中先生
卵子凍結は保険適用外となり、全額自己負担となります。一般に、卵子凍結にかかる費用としては初診時の検査、その後の検査、投薬費、採卵費、卵子凍結費などが発生し、さらに卵子を凍結保存するための費用もかかります。具体的な金額は、医療機関や卵子を保管する年数によっても変わります。なお、当院では採卵費、卵子凍結費、1年間の保管料を含め、初回の場合は33万円のプランをご用意しています。
編集部
助成金は使えるのですか?
田中先生
自治体によっては、不妊治療費助成制度の対象となります。東京都を例に挙げると、一定の条件を満たすと採卵準備のための投薬・採卵・卵子凍結費用が助成されます。助成額は卵子凍結を実施した年度に上限20万円、次年度以降、保管更新時の調査に回答した際に1年ごとに一律2万円とされていますが、今後変更することも考えられます。卵子凍結に興味がある場合には、自治体の福祉保健局などに問合わせてみましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
田中先生
現代の女性のライフプランを考える上で、卵子凍結は大切な選択肢の1つとなります。卵子を凍結保存しておくことで、年齢などによる卵子の質や卵巣機能の低下を回避し、将来の妊娠率を上げることが期待されます。卵子凍結のメリットとデメリットを考慮し、ぜひ治療を検討してほしいです。
※この記事はメディカルドックにて<「卵子凍結」をするなら何歳がいい? 妊娠する確率や費用は? 卵子凍結に関する疑問を医師が解決!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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