大きくて分厚い、食べ応えも抜群のリーフパイ

戦後、“戦争に敗れても、伝統文化は健在する”と、西荻窪の駅前の甘味喫茶で開かれていた文化講座「こけし会」。東北地方に根付く伝統工芸・こけしは、再び明るく灯り出した文化の象徴でした。
その店を受け継ぎ、会の名前にちなんだ屋号の喫茶店「こけし屋」が創業したのは1949(昭和24)年のこと。会は「カルヴァドスの会」と名前を改め、井伏鱒二はじめ、政治家、実業家、芸術家が集いました。1953(昭和28)年にはフランス料理と洋菓子部門も始まって、一躍有名に。松本清張はほぼ毎日、レストランに通っていたそうです。

そんなこけし屋が、建物の建て替えのために一時休業したのは2022(令和4)年。そうしてこの夏、4年ぶりに洋菓子店として復活を果たしました。休業前は、ケーキなどの生菓子や惣菜もショーケースに並んでいましたが、再開時のラインナップはまず焼き菓子から。様子を見て少しずついろいろな品が増える予定です。
以前からのこけし屋ファンとして、再開を祝して味わったのは、大ぶりのリーフパイ。噛み締めるたび、枯れ葉を踏み締めるときのように、ざくざくと小気味よい音が響きます。包み紙も以前と変わらず、カルヴァドスの会の一員でもあった鈴木信太郎画伯によるもの。老舗の新たな出発を、今後も楽しみにしています。
取材・文/甲斐みのり
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