
TOKYO MXで毎週月曜日から金曜日にかけてレギュラー放送中の生情報番組「5時に夢中!」。2025年8月に放送5000回を突破し、2026年春に22年目に突入した。そこで、メインMCの垣花正、大島由香里、金曜日担当のミッツ・マングローブに取材を行い、個性的なコメンテーターとゲストとのトークも見どころとなっているこの番組の魅力をはじめ、それぞれの番組との関わりなども語ってもらった。
■ミッツ「元々、テレビに出しちゃいけないような人しか出てなかった」
――「5時に夢中!」は独特な雰囲気がありますよね。どこかアットホームな感じもあって。
垣花:“アットホームさ”、ありますか?(笑) 自分たちがやっている番組なのであまり意識はしてないんですけど。独特と言われると、比較の対象となる番組がないので、独特かもしれません。「〇〇のような番組」っていうのがないので。
大島:内容は、報道番組?
垣花:報道番組の一面もあるという感じですけど。ミッツさんで何年目ですか?
ミッツ:16年くらい? 金曜日になってから10年かな。
垣花:その前は別の曜日で。
ミッツ:別の曜日っていうか、ショッピングのコーナーがあって。スポンサー枠だったんだけど、そこでサツマイモを売ったり。
大島:えぇ? そうなんですか!
垣花:それは全然知らなかった。
――最初にこの番組に関わるようになった時、番組の印象はどんな感じでしたか?
ミッツ:マツコ(・デラックス)さんが2005年から出ていて、たまに暇だから一緒についてきてたんです。楽屋で喋ってたりして(笑)。それに、初代MC(徳光正行)が私の従兄弟だったから、そういう意味ではアットホームな感じだったかもしれないです。
大島:リアルアットホームです。
ミッツ:元々、テレビに出しちゃいけないような人しか出てなかった。
大島:(笑)
ミッツ:私がずっと、今も肝に銘じていることは、「5時に夢中!」は壮大な悪ふざけをする番組っていうか、テレビごっこをする番組。そういう意味では、私もずっと女子アナごっこをし続けています。
――そういうことができる番組ということですね。
ミッツ:そう。だから、シャレとかすっ飛ばして、真正面からネットニュースに取り上げられちゃうと、ちょっと困っちゃうんです。
大島:確かに。番組の中では、トークでふざけ合ってる感じだったとしても、それがネットニュースとかで文字になってしまうと、「全然違うんですけど」って感じで伝わってしまいますよね。
垣花:ネットニュースのコメント欄を見ると、本当に怒ってる人がいるんです。「けしからん」って。だけど、いろんなコメント、意見がありますけど、番組を見てる人が書いたのか、見てない人が書いたのかすぐに分かります。見てる人は「だって、ゴジムだよ」って感じですから。
ミッツ:まぁでも、それもこの番組らしいところなのかな。「そんなこと言うとネットニュースになっちゃいますよ」って言ってて、本当にネットニュースになって。それをまた自分たちの番組で取り上げてネタにすると言うところまでが1セット、1ターンみたいな。
大島:次の週に、そのネットニュースをネタにしてニュースにしてますからね。それが面白いなと思ってます(笑)。
垣花:“地上波”って言葉がありますけど、有吉(弘行)さんがラジオでMXのことを地下電波って言ってて、すごく良い言葉だなって思ったんです。
ミッツ:私、“校内放送”って呼んでます(笑)。

■垣花、「5時に夢中!」は憧れ「すごくときめいたのを覚えています」
――放送がスタートしてから長いですし、まさに歴史あり、という感じが。
垣花:そうですね。2005年に始まった番組なので、22年目に入りましたし、“歴史あり”というか、こんなにいろんなことが起こってる番組ってなくないですか? “ゴジム”がやたらとネットニュースになり始めた時代は、僕はまだニッポン放送のアナウンサーだったんですけど。
ミッツ:垣花さんもMCを結構やってますよね。
垣花:ちょうど5年かな?
――垣花さんは、外からこの番組を見ていて、出演者として中に入ってこられた時、見ていた時とは違う印象とかも受けたりしましたか?
垣花:そうですね。う〜ん、この番組について真面目に語るというか、真面目に考えたことがないので(笑)。
ミッツ:初めて見たのはいつなの?
垣花:結構早い段階から見てましたね。このスタジオになってからですけど、マツコさんが世の中にたくさん出始めた頃は、他の番組に出られているのよりも、こっちの方を見てた感じでした。原田龍二さんの伝説の回(2019年5月)の時もリアルタイムで見てますし。
ミッツ:最高視聴率!
垣花:そう、最高視聴率を記録した時の。ミッツさんの神仕事を見ました。あの日、世の中の中心がTOKYO MXでしたね(笑)。そんな感じで一視聴者だったんですけど、ニッポン放送を辞める時に、でもラジオの番組は続けたいと思ったんです。午前中のラジオが終わった後、何がやれるのかは分かってなかったんですけど、その時のホリプロに「何やりたいですか?」って聞かれたので、「『5時に夢中!』に出たいです」っていうオーダーを一個だけ出したんです。それで辞めた後、すぐにゴジムからオファーが来たから、もう1個早速夢が叶ったなって。なんだかんだ自虐してますけど、『5時に夢中!』は憧れだったので、出られた時に『ここがMXだ!』って半蔵門駅でマネージャーと待ち合わせてやってきた時にすごくときめいたのを覚えています。
ミッツ&大島:(笑)
垣花:これ、MXの社員の皆さんも笑ってますけど、半蔵門駅の3番階段上がったところでマネージャーと待ち合わせして、「半蔵門に来ちゃった!俺、フリーになった!」って思ったのを覚えてます。
――すんなりと番組には入っていけた感じですか?
垣花:すんなり入っていけたかというのは、また別問題で。マツコさんにいつまでもなじめなかったし、今年に入ってようやく、「あなた、私の目の前で初めて面白いこと言ったわね」って言われました(笑)。
大島:言ってましたね、ついこないだ。しかもオンエア中に言ってましたよ。
――マツコさんをはじめ、コメンテーターの方も、ゲストの方も、出演者全員が個性的な方ばかりですよね。
垣花:本当にそう(笑)。
ミッツ:ここのお二人は「月火水木」だから、まず、4番組やってるようなもんで、金曜日は金曜日でまた違うから、毎日違う番組をやってる感じだと思うの。
大島:曜日ごとに完全に別番組ですね。全然違いますし、日によって「あ、今日イケる日だな」って思う時もあれば、「今日は全然ダメだったな」っていう日もあるし。
垣花:生ものです!

■大島「私、イヤモニをしてないんです」
――大島さんも、番組に参加するようになってから、そういう意味では、気持ち的なものも含めて、変化とかもあったかと。
大島:ありますね。私、イヤモニをしてないんです。最初の頃はイヤモニを付けてたんですけど、目の前にいる人の話をちゃんと聞こうと思ってしなくなったんです。
――それは大きな変化ですね。
大島:それまで、局アナだった時はイヤモニ命でした。耳に入ってくる指示を待って、ということが本当に多かったんですけど、この番組だと“指示”よりも目の前のことの方を優先させないといけないなって感じたんです。この番組だと、指示されることもほとんどないからなんですけど(笑)。あと、マツコさんに「そんなに頑張る番組じゃないわよ」って何度も言われたのもイヤモニをしなくなったきっかけの一つですね。
ミッツ:まぁでもそうだよね。話してることに集中しないとついていけないことも多いから、ちゃんと聞くというのは大切だと思う。
――確かに、生放送でテンポよくトークが展開することも多いですし。
大島:はい。毎日違う番組をやってるくらい大変さはありますけど、それでもやっぱり楽しいっていう気持ちの方が強いです。今、MXでお世話になる前、すごくきちんとしてる人っていうイメージを作ってもらっていた番組が多かったので、「いや、本当は違うんだよな」ってずっと思ってたんです。フリーになって、そのイメージを崩すにはどうすればいいかなって思っていた矢先に、MXさんからのお声がけがあったので、こんなにありがたいことはないなって。そのおかげで、気持ちも楽になりましたし、楽しんでやってますね。
ミッツ:ぶっちゃけ、垣花さんと大島さんの相性はどうなんですか?
垣花:僕は、大島さんは最高ですね。大島さんがどう思ってるかは分からないですけど(笑)。
大島:いやいや、私も最高だと思ってますよ(笑)。男性アナウンサーの方と組むのは局アナ時代にもよくあったことだし、仕事の役割分担とか、「こういうふうにやるのかな」っていう空気の読み合いみたいなこともすごくやりやすいなって感じました。
ミッツ:この男女MC陣のパートナーのコンビネーション、相性が良い悪いとかで「月〜木」の“和平”が決まるから。
垣花&大島:(笑)
ミッツ:相性が悪いと“秩序”が作れないから大変なことになるんです。
大島:コメンテーターは長く続けている人が多いのに、MCがこんなに変わる番組ってあんまりないですよね。逆に、金曜日の担当が垣花さんになったというのはどうですか?
ミッツ:金曜日はMCが結構変わってるんですよね。
垣花:確かに。でも、僕からすると、ミッツさんと中尾ミエさんがいる金曜日で、ゲストがいて、“もてなす”という前提があるから形が決まってるんです。
ミッツ:形が決まってるけど、やっぱりゲストによって雰囲気は違うので、大変だと思いますよ。ただ、私からしたら、垣花さんはニッポン放送時代からお世話になっていたので、全然他の人との比較ということじゃないんですけど、やりやすいなって思うんです。
垣花:ミエさんって、何を聞いてもすぐに切り返す、ある種、天才的な瞬発力の持ち主で、どなたがゲストでも必ずミエさんのハイライトがあるのがすごいなと思いますね。
ミッツ:私も最初、テレビに出たてだったから、あの“中尾ミエ”と一緒にできるんだ!って浮き足立ってたし、愛情とリスペクトダダ漏れ。今も変わらず愛情とリスペクトでいっぱいで、だからこそ「おい、ババア」みたいな言い方をしても、いい感じに返してくれたりして、それがいいんですよね。
――曜日ごとのコメンテーターの方にお話を聞いてみたいですね。それぞれの曜日の特徴とか。
大島:出演してる曜日ごとのコメンテーターの人たちって、自分の曜日が一番面白いって絶対思ってますよね。
ミッツ:そうそう! 特に火曜は思ってるだろうね(笑)。
垣花:それぞれに話を聞けると面白いと思いますけど、誰一人真正面から答えないですよ、絶対に(笑)。
大島:あぁ、それも分かります。
ミッツ:この番組が22年やってますけど、一回だけ全曜日のコメンテーターとMCの飲み会みたいなのをやったことがあったんです。それこそ、ミエさんもマツコさんもいて。でも、見事にテーブルがバラバラでした。その時、なんとなくかき混ぜる役は私なのかな?って思ったのを覚えてます。
垣花:そういう意味では、よみうりホールでのイベント(2025年8月開催「祝!放送5000回記念 5時に夢中!万博」)は印象に残ってます。このイベントに関してはものすごい熱量で、オープニングで拍手が起こったんですよ。「え?そういう番組じゃないんじゃないの?」って思ったりしたんですけど、視聴者の方の物凄い愛情がオープニングの時にウワーッと伝わってきて感動したんだけど、真っ先にプロデューサーが泣くっていう(笑)。僕も、大島さんの横に並んで、始まった瞬間の拍手とかを聞いた時にグッときたんです。でも、プロデューサーが泣いたらしいって聞いて、自分は泣くのを我慢できました(笑)。
ミッツ:あのイベントもすごかったよね。次、あんなイベントができるのかどうか全然わかんない。
大島:それだけ貴重なイベントだったとは思いますけど、「またやりましょう」って話になるのか、ホント、分からないですね(笑)。

■垣花「『今日は何が起こるのかな』って楽しんでください」
――今後この番組をどんなふうに楽しんでいきたいとか、視聴者の方にどんなふうに楽しんでもらいたいとかありますか?
ミッツ:私個人で言うと、あらゆる仕事の中で一番緊張する仕事なんです。夏場とか、放送が終わるとおしりにじっとり汗かいてたりするんですよ。だから1秒たりとも気が抜けないし、どんどん進んでいくから、追いついていかないといけないし、俯瞰でも見なきゃいけないし、シーンによっては引っ張っていかなきゃいけないんです。その反射神経だけはまだ衰えたくないなっていうのがあるので、この番組が私にとってタレント生命のバロメーターになるかもしれないです。
垣花:僕はミッツさんをフグの料理人みたいだと思っていて、金曜日ってなんかやらかした人がゲストで来る率が非常に高いんですよ。そこに触れなきゃいけない番組じゃないですか。その触れ方がミッツさんは本当に絶妙なんです。毒を取り除きつつ、そこにも触れながら、美味しくさせるっていう。その匙加減はミッツさんしかできないなって思います。
――大島さんはどうですか?
大島:垣花さんとは関係性が築けているのでものすごく安心感がありますし、垣花さんは大物転がしなので、本当に頑張らなきゃいけないところを垣花さんが押さえてくれてるので、全幅の信頼を寄せてます。でも時々、途轍もないポンコツになるんです(笑)。でも、それもいいなって。キチンとやるっていうことを絶対しちゃいけない番組というか、もちろんキチンと進行しなきゃいけないし、キチンと返さなきゃいけないんですけど、“ちゃんとやらなきゃいけない”というのとはちょっと違うと思うんです。私も台本はほぼ流れしか打ち合わせで見てないですけど、それくらい“出たとこ勝負”で、型にハメない方がいいなと思っています。なので、今のような感じでもっともっと続けていけたらなとは思っています。
――じゃあ、最後に垣花さんからも「WEBザテレビジョン」の読者に向けて、番組の見どころを含めたメッセージをお願いします。
垣花:マツコさんで始まって、ミッツさん、ミエさんで締めるっていう1週間って、僕の中ですごく贅沢なんですよね。出てくる人たちがみんな、めちゃくちゃ計算してるとは思うけど、僕はそこまで緻密には計算できてなくて。でも1個だけ思っているのは、とにかく正直にみんなの感情が出るといいなってことです。この番組はオンリーワンで、好きな人しか見てないんです(笑)。それがこの番組の強みで、情報をお伝えしてますけど、報道番組やニュース番組とも違いますので、コメンテーターやゲストの方の感情を見て楽しんでもらってもいいかなと思います。
ミッツ:「アニマルプラネット」みたいなね。
大島:「ナショナルジオグラフィック」とか。
垣花:そうそう。そっち系のチャンネルに近い楽しみ方ができるんじゃないかと思いますので、「今日は何が起こるのかな」って楽しんでください。
◆取材・文=田中隆信

