津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域について
津波に備えるために、自治体は津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域を指定しています。ここでは、津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域について解説します。
津波災害警戒区域(イエローゾーン)とは
津波災害警戒区域(イエローゾーン)とは、最大クラスの津波が発生した場合、津波被害を防止するために「警戒避難体制を特に整備すべき区域」として県知事が指定する区域です。住民などの生命・身体に、危害が生ずるおそれがある区域が対象として指定されます。
津波災害警戒区域を指定する目的は、津波被害が想定される地域における避難訓練の実施や避難施設の確保などの警戒避難体制を整備し、防災力を強化するためです。
また、区域指定と併せて公表する基準水位により、津波から避難する際の高さが想定でき、避難施設などの効率的な津波避難対策が可能となります。
津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン・レッドゾーン)とは
津波災害特別警戒区域とは、津波が発生した際に、建築物の損壊や津波により住民の生命・身体に著しい被害が生じるおそれがある区域です。
また、津波災害特別警戒区域は、「オレンジゾーン」と「レッドゾーン」に分類されます。

津波災害特別警戒区域が指定される目的は、一定の建築物の開発に規制をかけることで、住民等が建築物の中にいても津波を避けられるようにするためです。
津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域の確認方法
津波災害警戒区域および津波災害特別警戒区域は、各都道府県の公式ホームページや市町村の防災ページで確認できます。
例えば、静岡県の伊豆市では津波災害警戒区域と津波災害特別警戒区域が以下のように指定されています。

出典:静岡県「伊豆市の区域指定状況-津波災害警戒区域」

出典:津波災害特別警戒区域
黄色の部分が津波災害警戒区域、オレンジ色の部分が津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)を指します。お住まいの地域のホームページを確認し、指定状況を確認しましょう。
津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域に指定されている場合にすべきこと
津波災害警戒区域や津波災害特別警戒区域が指定されている地域は、津波によって大きな被害を受ける可能性が高い地域です。
自治体はこれらの地域を防災重視エリアとして、避難施設の確保や避難経路の整備、避難訓練、建物の開発規制などを行っています。
いつ起こるか分からない津波に備えるためにも、事前にハザードマップの確認や避難経路の把握、避難訓練への参加、自主的な防災対策を行うことが大切です。
いま一度、住んでいる地域の津波リスクを再確認し、早めに対策を行いましょう。
〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。
