
俳優の小手伸也が主演を務める「俺もそろそろシェイクスピア・シリーズ『コテンペスト』」囲み取材会が、6月27日に東京・本多劇場で開催され、小手、鈴木保奈美、片桐仁、崎山つばさ、松田凌、AOI(WHITE SCORPION)、脚本・演出の村上大樹氏が登場。初日を迎える感想などを語った。
■シェイクスピアの“遺作”を大胆に翻案
本作は、ウィリアム・シェイクスピアの遺作と言われる「テンペスト」を村上氏が現代の地方都市を舞台に大胆翻案。とある地方にある老舗百貨店「天平ストア」を舞台に、復讐(ふくしゅう)に燃える“妖精おじさん”こと窓際社員の内木弁慶(小手)と、彼を取り巻く一癖も二癖もある人々が繰り広げる、切なくもおかしい騒動を描いた復讐コメディーだ。
52歳にして初の舞台主演を務める小手は、初日を迎える感想を「初座長、初主演という本当に身に余る光栄の中、『コテンペスト』というタイトルでやらせていただくこと自体がまだ受け止めきれていないというか、困ったなあというか、『(自分が)このタイトルでやりたいんだ!』と言い始めて始まった、と勘違いされたくないというか…」とこぼすと、すかさず片桐が「今言うのそれ?みんな小手さんの『コテンペスト』だと思って来てますから」とツッコミを入れ、笑いを誘った。
「天平ストア」下着売場の従業員・白熊こずえ役の鈴木は「舞台出演経験がここにいらっしゃる皆さんに比べると少なく、着替えとか、いろいろ物を動かすので本当にパニックになっていて、お見苦しく、皆さんに助けていただいてありがたい限りです」と舞台ならではの難しさを話すと、小手は「こんなすごい人に舞台装置の転換をやらせるんですよ」と小劇場ならではの裏事情を打ち明け、鈴木は「できて当然ですよ。役者なんだからね」と胸を張る。
しかし、舞台経験も豊富な片桐から「こんなに転換を役者がやるのは初めてですよ!小劇場と言えど」と言われると、鈴木は「本当?確かにすごい数ですよね」と目を丸めていた。
また、天平ストアのアルバイト・二瓶一平役の松田は、学生時代から演劇が大好きだったことを打ち明けつつ「17歳のときの自分に、『おまえは十数年後に本多劇場に立つぞ』と(言いたい)」と、初めて“演劇の聖地”本多劇場に立てたことをうれしそうに語る。
そして高校生・大野あいり役のAOIが「キャストの皆さんが本当にお優しくて、たくさんサポートしていただけて、本当にたくさんの方々のお力あっての舞台だなと感じながらやらせていただきました。千秋楽まで緊張し続けると思うんですけど、大野あいりとして『コテンペスト』を生き抜いていきたいと思います」と本カンパニーでは最年少らしくフレッシュに意気込むと、小手は「素晴らしいコメント」と感心していた。
■鈴木、小手の“正体”は「全然分からなくて…」
そんな中、小手と何度か共演経験のある鈴木が、本作への出演にあたって「今度こそ正体を見てやろうと思います」とコメントしていたことを受け、取材陣から「稽古期間を経て正体は分かりましたか?」と聞かれると、鈴木は「分からないですね。小手さんは本当にどういう方か分からなくて…」と吐露。
すかさず片桐が「(小手は)私語がほぼないんですよ。俺は大好きだから毎日話し掛けるんですけど、『and you(あなたはどう)?』がないんです。1年間YouTubeを一緒にやっていますけど」と暴露し、鈴木はうなずきながら「あと他人にツッコミを入れるけど、ご自分のことを語らないですよね。(稽古期間)1カ月ご一緒しても全然分からなくて、謎です」と不思議がる。
2人からの指摘に、小手は「どうすればいいの…?」とタジタジになりながら、「結構心を開いているつもりなんだけどなあ。『あなたが何を考えているか分からない』って、確かに妻にも言われた」と苦笑い。
一方、天平ストアのフロア長・黒須太郎役の崎山からは、小手が松田ら若手キャスト陣との食事会に来てくれたというエピソードも。そこではいろいろな話ができ、「ここでは言えないんですけど…(笑)」と、小手の“稽古場じゃない姿”が見られたという話も出ていた。
さらに、「俺もそろそろシェイクスピア・シリーズ」と冠がついているということで、今後も続いていくのかという質問には、片桐が「もちろんです!」と即答し、村上氏も「(小手が)本当のシェイクスピアの作品に出られるまではやったほうがいいかなって」と答え、小手は「私が吉田鋼太郎さんに呼ばれるまで?(笑)」と、“彩の国シェイクスピア・シリーズ”の芸術監督である吉田の目に留まる日をひそかに願いつつ、シリーズ化への期待を口にしていた。
なお、「コテンペスト」は6月27日(土)〜7月7日(火)まで本多劇場にて東京公演を行い、7月17日(金)〜19日(日)からは大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演される。
◆取材・文=武原堅人(STABLENT)

