
30年前に放送の和久井映見主演作「ピュア」(1996年放送、フジテレビ系)は、軽度の知的障害をもつ優香(和久井)が主人公のヒューマンドラマ。Mr.Childrenの主題歌「名もなき詩」もダブルミリオン(累計230万枚超)を売り上げ大ヒットした。現在、FODにて配信中で、成人女性だが少し幼く“ピュア”な優香とフリー記者の徹(堤真一)の心の交流が描かれる。まっすぐな優香の気持ちが影響を与え、周囲から距離を置かれ始めてしまう第9・10話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)
■“ピュア”な芸術家・優香が新しい人間関係を築いていく
ドラマ「ピュア」は、オブジェ作りに関して天性の才能を持っている主人公・優香が、とある芸術賞の大賞を受賞し、一躍時の人となっていくストーリー。出演は他に、優香のいとこ・涼役に高橋克典、優香の母・孝子役で風吹ジュン、涼と同じ洋食店で働くウェイトレス・マチ子役に高岡早紀、徹の出入りする出版社で実習生として働く麻子役に篠原涼子ら。大人の男女が恋愛をするということを知らない優香が、少しずつ恋の気持ちを知っていく。
■マチ子と優香が襲われそうになったのを徹たちが助ける
第9話は「涙の告白、折れた翼の悲しい理由」。通りがかりの男・山下に誘われ、マンションに入ったマチ子を優香が追いかける。不安になり、帰ろうとしたマチ子を山下はベッドに押し倒した。マチ子の声を聞いた優香が部屋に入りこみ、山下に掴みかかる。そこへ山下の仲間が入ってきて、4人は揉み合いとなる。危ない所に徹と耕太(鳥羽潤)が飛び込んできた。マチ子は優香に泣きながら謝り、それを見る徹の悲しい目。しかし、優香にはこれがどういうことかよく分からないのだった。
■徹が育った孤児院で優香が子どもたちと絵を描く
孝子が迎えに来た。孝子は優香の頬を打つ。帰宅した孝子は「男の人が女の人を抱きしめるのは本当に愛し合っている時だけ。大切なのは心と心」と教える。孝子は、徹に電話し、お礼とともに、もう優香に会わないで欲しいと頼んだ。
続く第10話。優香は徹の育った孤児院・ひかりの家に行くことになった。自分の役目に戸惑う優香だったが、子どもたちがそれぞれ工作に取り組み始めると、優香は指先に絵の具を付けて指で紙に絵を描き始めた。子どもたちは優香の周りに集まり、室内の雰囲気が柔らかくなる。その時、「新時代芸術展」事務局の小宮(早乙女優)に案内されて、遠山代議士(勝部演之)が入ってきた。「遠山代議士があなたの後援会長になって下さったのよ」と優香に言う小宮。優香が「ありがとうございます」と頭を下げるのを見て、徹は複雑な気持ちになる。
徹と遠山が抱える過去の因縁が絡み合う中、優香は難しい話は分からないながらも徹の心に寄り添う。優香は「徹さんの羽が折れてる…」と表現し、緊張感に包まれて生きる徹の気持ちをゆるめていく。
しかし、徹の変化が面白くない麻子は、優香を警戒。麻子は「あなたが笑うと皆がつらくなるの」と言って優香から笑顔を奪う。しかし、徹は優香の味方であることを告げて「おまえの笑顔が見たい」と話すのだった。
“守ってくれる人がいるだけで強くなれる”という恋愛の鉄則を知り、優香がゆっくりと大人になっていく。30年の時を経ても色あせない、ピュアな恋の始まりにキュンキュンさせられる作品だ。

