
仲野太賀が主演を務める大河ドラマ「豊臣兄弟!」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第25話が6月29日に放送された。天下一統を目指す織田信長(小栗旬)が、重臣たちに冷酷な追放を言い渡すという、不穏な展開が描かれた。(※以下、ストーリーのネタバレを含みます)
■秀吉の約束が15年越しに実現 蜂須賀正勝が念願の城主に
播磨平定と同じ頃、信長は本願寺との和睦を成立させる。ついに畿内を制し、天下統一へ一歩駒を進めた。
その頃、秀吉(元の名・藤吉郎/池松壮亮)は、家臣・蜂須賀正勝(高橋努)を西播磨の龍野城城主に任命する。「3年後に城持ちに」という約束で家臣となった正勝が、15年の時を経てついに夢を叶えた瞬間だった。感無量の正勝は、「この先何があろうと殿の力になり申す!」と改めて秀吉に忠誠を誓う。

■栄華を極める安土城の完成 信長の器を示す信澄の存在
1580年(天正8年)、安土城がついに完成。その荘厳な姿は、信長の権威を象徴するものだった。さっそく豪華な宴が幕を開ける。
能を見ながら、秀吉は弟・秀長(元の名・小一郎/仲野)に「わしはこの城よりも、信澄様こそが上様の大きさを示す証だと思うとる」と耳打ちする。
実は信澄(緒形敦)は、かつて信長に謀反を起こし討たれた弟・信勝の遺児だった。本来なら共に切り捨てられる存在だが、信長は彼を柴田勝家(山口馬木也)に預けて育て、今では明智光秀(要潤)の娘を妻に迎えるほど重用していた。信長の底知れなさを感じ、秀長は尊敬の念を抱く。

■余興が一転、恐怖のどん底へ…信長が仕掛けた“地獄の相撲”
宴の席でおもむろに能楽師を紹介する光秀。お面を取って姿を現したのは、土佐の国主・長曾我部元親(磯部寛之)だった。四国の領土獲得が順調であると報告する元親に、信長は「相撲は好きか」と問いかける。
酒が入り、我先にと勝負を挑もうとする家臣たち。しかし近習・森乱(市川團子)の対戦相手として信長が指名したのは、なぜか老臣の林秀貞(諏訪太朗)だった。悪ふざけだろうと誰もが笑って見守る中、林はあっけなく敗退。すると、信長は氷のような表情で「うぬは追放じゃ。一族ともども今すぐわしの前から消え失せよ」と告げた。
さらに、佐久間信盛(菅原大吉)も、秀長の義父である安藤守就(田中哲司)も相撲で敗北。ただの余興は一瞬にして“地獄の相撲”と化し、家臣たちは恐怖に震え上がる。

■追放の裏に隠された真実と、信長の冷徹な覚悟
信長の真意が見えない秀吉と秀長。光秀から「佐久間は本願寺と、林と守就は武田と内通していた疑いがあった」と告げられる。だが、過去に相当な覚悟で織田に寝返った守就が、それを無にするような真似をするはずがない。
守就の追放で得をするのは稲葉良通(嶋尾康史)だが、稲葉の言葉を光秀や信長が信用するとは思えない。そこで守就は、息子の安藤定治(森優作)が実際に武田と通じていた事実を突き止める。
自分のせいだと刀を抜く定治を、秀長たちが阻止。そして定治は、「こんな地獄の先に真に素晴らしき世があるのでございますか?織田信長にはそんな世を作ることはできぬ!」と悲痛な胸の内を叫ぶ。
一方、安土城の天守から景色を眺める信長は、市(宮崎あおい)から「真実がはっきりしてからでは死罪を言い渡さなければならないため、その前に追放したのではないか」とその真意を突かれていた。しかし、信長はどこまでも冷酷さを崩さず、「役立たずな老体など無用の極みじゃ。天下一統に情けもいらぬ。血も涙もなき覇道の者…それが織田信長よ」とつぶやくのだった。

■「わしは美濃の熊殺しじゃぞ~!」一人笑顔で屋敷を去る守就
どこか吹っ切れた表情で、上機嫌に孫を抱く守就は、「安藤の名は消えるが血は残すことができた」と笑う。秀長たちは一緒に暮らそうと説得するが、明け方、守就は一人荷物をまとめて屋敷を去ろうとする。
そこへ立ちふさがったのは、秀長と慶(吉岡里帆)だった。守就は息子の苦悩に気づけなかった落ち度を悔やみ、「お前の幸せをもう奪いたくないのじゃ」とけじめをつける決意を告げる。そして後ろ髪をひかれつつも、家族の幸せを祈り、「案ずるな!わしは美濃の熊殺しじゃぞ~!」といつもの明るい笑顔を見せ、去っていくのだった。

■覆された盟約…光秀の元に届いた「信長を討て」の密書
1581年(天正9年)、信長は大規模な「馬揃え」を行い、圧倒的な威信を天下に誇示する。見物する秀長の前に現れたのは、鮮やかな女物の装束をまとった長曾我部元親だった。激変した姿に戸惑う秀長に、元親は「この姿の方が落ち着くのだ」と語る。
一方、信長は「馬揃え」を仕切った光秀を呼び出し、突然「長曾我部の四国切り取り認めるわけにはいかぬ」「気が変わったのじゃ。うまく説き伏せよ」と冷たく言い放つ。
前日までの盟約を覆す命に、光秀は困惑し、激しい衝撃を受ける。その時、光秀のもとへ「可討取信長候也(のぶながをたっとるべくそうろうなり)」と書かれた一通の文が届く。横に押された足利義昭(尾上右近)の花押に、目を見開く光秀。「信長を討て」という、かつての主君からの命。光秀はただ、その場に立ち尽くすしかなかった。

■守就の笑顔の別れに視聴者涙 近づく本能寺の変の足音に「ついにフラグが…」の声
守就が息子の責任を取り、笑顔で去っていった今回。SNSには「明るく去っていくシーンに涙が止まらなかった」「背中を追いかけたい慶さんの想いに胸が打たれた」「どうか再会できますように…」と、別れを惜しむ声が続出した。
一方、光秀に密書が届き、いよいよ本能寺の変へカウントダウンが始まったラストシーン。これには視聴者からも「あぁついにフラグが…」「光秀がどんどん信長に追い詰められていく様子が怖すぎて…」「いよいよすぐそこに…」と、緊迫感に震える声が多数寄せられている。
※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」
◆文=ザテレビジョンドラマ部


