美しいまま剝製になりたい…整形を繰り返した女性がたどり着いた究極の欲望が「人間味溢れてる」と話題に【漫画】

美しいまま剝製になりたい…整形を繰り返した女性がたどり着いた究極の欲望が「人間味溢れてる」と話題に【漫画】

剥製になりたいマリアの欲望は、どんな形で叶うのか…
剥製になりたいマリアの欲望は、どんな形で叶うのか… / (C)青木ぶる/GANMA!

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、青木ぶるさんの漫画「欲望屋アンダーグラウンド」(GANMA!刊)をご紹介。

本作は顧客の欲望を叶える「欲望屋」が舞台。マンガ配信サービス「GANMA!」では、全119話を読むことができる。

GANMA!公式アンバサダーであるいさごさんが4月19日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2100件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では作者である青木ぶるさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。

■「欲望屋」に現れた女性・マリアが望むこととは…

総額2000万円の費用をかけて全身整形を繰り返した「整形モンスター美女」と呼ばれる女性・マリア。彼女の美に対する欲望はとどまることを知らない。彼女が訪れた欲望屋への依頼内容は「私自身を美しいまま剥製にすること」だという…。

本作には「気持ちは凄くわかる」「1話でもう既に面白い」「このちょっと狂ってる感じが好き」「人間味溢れてる」「ネットリした魅力がある」などの声が寄せられている。

■「見た目こそ常人からすれば不自然ですが、その根底にある感情はとても人間臭い」作者・青木ぶるさんの作品へのこだわりとは
作者・青木ぶるさんが思う、マリアの人物像とは
作者・青木ぶるさんが思う、マリアの人物像とは / (C)青木ぶる/GANMA!

――「欲望屋アンダーグラウンド」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

もともとインディーズサイトに掲載していたプロトタイプ作品があり、それを初代担当編集の方に見つけていただいたことがきっかけです。そこからアレンジを加え、連載へと繋がりました。

また、物語の舞台である「楽園ビル」にはモデルとなった実在の商業ビルがあります。初めて訪れたときから独特の雰囲気に惹かれ、「いつか漫画の舞台にしたい」と思っていました。加えて、昔からバディもののドラマや映画が好きで、特に三浦しをん先生原作の『まほろ駅前』シリーズが大好きでした。いつか自分でもバディものを描いてみたいという思いも、この作品の原点の一つです。

――本作「整形モンスター」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

マリアの不自然さと、その奥にある人間らしさです。人形になりたい彼女は、普段は表情をほとんど崩さず、人形のように振る舞っています。顔や身体の細部にも、どこか違和感を感じるような描写を意識しました。しかし、「明日の私は今日よりも美しい。だから毎日が愉快でならない」と語るシーンでは誇らしげに笑い、死を目前にした場面では恐怖に顔を歪めます。

マリア自身、自分が追い求める美しさが永遠には続かないことを理解しています。それでもなお美を求め続け、死を恐れる。その矛盾や弱さこそが、彼女の人間らしさだと思っています。見た目こそ常人からすれば不自然ですが、その根底にある感情はとても人間臭い。そんなキャラクターとして表現できたのではないかと思います。

――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

犬飼の「楽園は現世にあるべき」というセリフです。執筆当時はそこまで意識していたわけではなく、犬飼ならそう言うだろうと思って書いたセリフでした。しかし後から読み返してみると、この一言には犬飼というキャラクターの価値観がよく表れていたように思います。依頼をどう解決するのが正解だったのか、今でも考えることがあります。もし死が恐ろしいものとして描かれなかったら。もし死後も賞賛され続けるのだとしたら。マリアは本当に生きたいと思ったのだろうか。犬飼の選択は正しかったのだろうか、と。

それでも犬飼は、人間を愛しています。欲望を持った人間の醜さや歪さも含めて、人間そのものを肯定している。だからこそ、綺麗事や整合性だけでは割り切れない現実の中で、その場しのぎでもいいから現世を楽園にしていくべきだと考えているのだと思います。このセリフは、図らずも犬飼の信念だけでなく、作品全体を通して私が描きたかった想いも表していたのではないかと思っています。

――本作ではマリアの美に対する欲望がリアルに描かれていましたが、ストーリーを制作する際にこだわっていることがあればお教えください。

読者に共感してもらえる形で物語に落とし込むことです。マリアの「美しいまま死にたい」という欲望は、共感できる人もいると思いますが、決して一般的な価値観ではありません。だからこそ、なぜ彼女がそう考えるようになったのか、どれほど強い思いを抱いているのかを、行動やセリフを通して丁寧に描くことを意識しました。

読者がその価値観に賛同する必要はありません。でも、「この人がそう考える理由はわかる」と感じてもらえたら嬉しいです。どんなに荒唐無稽に見える欲望でも、その背景を紐解いていけば理解できる部分があると思っています。作品を描くときは、そうした人物の感情や論理をなるべくわかりやすく伝えられるよう心がけています。

――今後の展望や目標をお教えください。

なるべく長く、できれば死ぬまで漫画を描いていたいです。そのためにも、まずは目の前の作品を、目の前のキャラクター...人間を、一つひとつ大切に描き続けたいと思っています。メディア化も目標の一つですね。自分の作品が漫画以外の形で広がっていく姿を見てみたいです。

また、私の作品はまだ紙の単行本になったことがありません。電子で読んでいただけるのももちろん嬉しいのですが、紙の漫画で育った世代なので、いつか自分の作品が本として形になり、手に取れる日が来たらいいなと思っています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。商業漫画家になって数年が経ちました。読者さまと直接お会いする機会もありましたが、自分の漫画がたくさんの方に読まれているということが、いまだに信じられません。それくらい私にとっては夢のような出来事です。毎日の生活の中には、苦しいことや理不尽なこともたくさんあります。そんな中で、私の作品が少しでも皆さんの日常を彩ったり、世界を違った角度から見つめるきっかけになれたら嬉しいです。

これからも一つひとつの作品を大切に描いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。そのためにも、まずは目の前の作品を、目の前のキャラクター...人間を、一つひとつ大切に描き続けたいと思っています。メディア化も目標の一つですね。自分の作品が漫画以外の形で広がっていく姿を見てみたいです。

また、私の作品はまだ紙の単行本になったことがありません。電子で読んでいただけるのももちろん嬉しいのですが、紙の漫画で育った世代なので、いつか自分の作品が本として形になり、手に取れる日が来たらいいなと思っています。

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