土砂災害には前兆がある! 音やにおいも詳しく解説

土砂災害には前兆がある! 音やにおいも詳しく解説

前兆を感じたらすぐ避難!身を守るための3ステップ

土砂災害の前兆が見られる場合は、命を守るために迅速かつ的確な行動が不可欠です。身を守るために必要な行動を解説します。

警戒レベル3で高齢者等避難、同レベル4で全員避難

土砂災害の避難判断を行う基準や判断は、警戒レベルが参考になります。

警戒レベルとは、豪雨や土砂災害、洪水などの災害時に、住民が避難行動をとる目安として国や自治体が発表する段階的な危険度の指標です。5段階で設定されており、数字が大きくなるほど危険度が高く、取るべき行動の緊急性も高まります。

以下の表に、警戒レベルごとに取るべき行動や関連する気象情報をまとめました。

ちなみに、避難行動が必要となる人は、土砂災害の危険性がある場所にいる人です。

具体的には、ハザードマップで「土砂災害警戒区域」または「土砂災害特別警戒区域」に入っている人は、警戒レベルに基づいた避難行動を取る必要があります。

一方、自宅や職場が土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に入っていなければ、警戒レベル4や警戒レベル5となっても避難の必要はありません。ただし、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域は、土砂災害で人家被害が想定される場所を指定しています。

そのため、人家がない場所を車で移動したり、避難路として通ったりする場合、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定されていなくても、土砂災害のリスクがある点に注意が必要です。

斜面と反対側へ素早く移動

土砂災害の前兆を察知し、避難する時間や余裕がない場合は、斜面と反対側へ素早く移動することが重要です。

土砂災害は前兆から、わずか数十秒で飲み込まれてしまう場合もあります。そのため、たとえ数mでも斜面から距離を取ることが命を守る可能性を高めます。

素早く避難するためにも、平常時に安全な場所や方向を確認しておくことが大切です。

避難できないときの屋内安全スペース

土砂災害のサインを察知した際に、屋外に逃げることが困難な場合は、自宅内での垂直避難が基本です。

垂直避難とは、災害発生時や発生が予想される際に、建物の2F以上の高い階に移動して安全を確保する避難行動です。土砂災害で垂直避難する場合は、斜面から一番離れた場所に避難します。

垂直避難によって土砂災害の被害を免れた事例もあります。

例えば、令和2年7月豪雨では、岐阜県下呂市で夜遅くから明け方にかけて強い雨が降り、土砂災害が多数発生しました。急激に状況が悪化したため、区域外の避難場所への立ち退き避難が困難でしたが、住民の垂直避難によって被害を免れた事例が確認されています。

基本的には斜面から離れることが望ましいですが、自宅にいる際に土砂災害の前兆が見られるなど、避難することが難しい場合は垂直避難を行いましょう。

特に、夜間に土砂災害が発生すると、避難する間がない可能性があります。そうした場合も想定し、垂直避難できるように日頃からシミュレーションしておくことが大切です。

土砂災害の前兆をキャッチする方法

土砂災害の前兆を見逃さずに命を守るためには、日ごろからの情報収集が欠かせません。

まず、ハザードマップで自分の住む地域やよく行く場所の土砂災害危険区域を確認し、危険箇所や避難場所を把握しておきましょう。土砂災害の危険性が高まり、避難が必要になった際にも、慌てずに避難行動をとることができます。

次に、気象アプリや防災情報アプリを使い、大雨の予報や土砂災害警戒情報をこまめにチェックしましょう。

中でも、気象庁が発表する「大雨警報(土砂災害)」「土砂災害警戒情報」は、土砂災害の危険性が高まった際に発表される重要な気象情報で、避難行動の基準にもなります。大雨が降っている際には、土砂キキクルもリアルタイムで確認し、危険度が高まっていないか確認しましょう。

また、自治体からの避難情報を適切に収集できるかも確認しておくことがポイントです。自治体では、定期的に防災無線の試験放送を行っています。避難情報が発表された際に防災無線が聞こえるか、試験放送で確認しておくことが大切です。

配信元: 防災ニッポン