「色覚異常のテスト」ってどんなことをするの?症状・原因・対処法も解説!

「色覚異常のテスト」ってどんなことをするの?症状・原因・対処法も解説!

色覚異常への対処法

色覚異常への対処法

見分けにくい色の例を教えてください

色覚異常があると、その種類によって見間違いやすい色の組み合わせが存在します。例えば、2型色覚異常であれば黄緑とオレンジ、緑と茶色(灰色)、青と紫、ピンクと灰色などが混同しやすくなります。

また、1型色覚の場合は上記に加えてピンクと水色も紛らわしく、赤色が全体に暗く見えることもあります。一方、青系統の色と黄色系統の色を取り違えることはありません。このように、色覚異常の種類によって、自分の見えづらい色のパターンがあります。自分の色の見え方のパターンを把握しておくことで、日常生活では多くの場合問題なく適応できます。

見分けにくい色がある場合、どのようなことに気を付けるとよいですか?

見分けにくい色がある場合、日常生活のなかでいくつか注意しておくとよいでしょう。

例えば、服装では、本人には似た色の靴下や洋服が同じように見えてしまうことがあります。左右で違う色の靴下をうっかり履いてしまわないように、紛らわしい色の靴下にはあらかじめ印をつけて区別しておくと便利です。服やネクタイの色合わせに不安があるときは、周囲の方に確認してもらうとよいでしょう。

交通の場面では、夕暮れ時や雨の日などは赤信号と黄信号の区別が難しくなることがあります。特に点滅信号や遠くの小さな信号灯は判別しづらく注意が必要です。1型色覚では、夜間に前の車の赤いテールランプに気付きにくかったり、昼間にブレーキランプの点灯が目立ちにくくなったりする場合もあります。そのため、安全のためには車間距離を十分にとるなど、運転時の工夫が欠かせません。

資料やノートを作成するときには、色だけで情報を区別するのではなく、記号や文字を併用すると見やすくなります。赤と緑のように識別しにくい配色は避けることが望ましく、誰にとっても情報が伝わりやすい工夫が重要です。

カラーユニバーサルデザインについて教えてください

色覚の違いによって情報が正しく伝わらないことがないよう、できるだけ多くの方に見分けやすい配色を選ぶ、色以外の手がかりも用いるといった工夫を取り入れるデザインのことをカラーユニバーサルデザインと呼びます。

この考え方を取り入れることで、色覚に不安がある方でも情報を正しく認識でき、ミスを防ぐことが期待できます。学校教育の場でも関心が高まり、色覚に配慮した教科書や特殊な色チョークを採用する動きも始まっています。

編集部まとめ

編集部まとめ
色覚異常は本人にとって見え方の個性の一つですが、早めに知って対策を考えることで生活上の困りごとを減らすことができます。小さい頃に色覚検査で指摘を受けたら、眼科できちんと診断を受け、家族や教師が協力して日常生活をサポートすることが重要です。本人も自分の色覚の特徴を自覚することで、色以外の手がかりを使って色を判断する能力が身に付いてきます。

先天性の色覚異常そのものは治せませんが、社会の側で色の使い方を工夫することによって十分対応可能です。厚生労働省も企業に対し色覚異常者への不合理な採用制限を行わないよう指導しており、教育現場でも色覚に配慮した教材が出てきています。色覚は人それぞれ異なるという多様性への理解を深め、検査や知識の普及、そしてカラーユニバーサルデザインの推進によって、誰もが暮らしやすい色のバリアフリー社会を目指していきたいものです。

参考文献

『色がわかりにくい(色覚異常)』(日本眼科学会)

『色覚異常といわれたら | 目についての健康情報』(日本眼科学会)

『先天色覚異常』(日本眼科学会)

配信元: Medical DOC

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