「超加工食品」寿命を縮める“原因”に?菓子パンに潜む3つの危険成分とは【医師解説】

「超加工食品」寿命を縮める“原因”に?菓子パンに潜む3つの危険成分とは【医師解説】

超加工食品の摂取は、単なるカロリー過多だけでなく、「慢性炎症」や「酸化ストレス」との関連においても研究が進んでいます。どちらも目に見えにくい変化ですが、長期的な健康への影響が指摘されています。ここでは、それぞれのメカニズムについて、専門的な内容も含めながらわかりやすく解説します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

超加工食品(菓子パン等)の摂取と死亡リスクの関係

超加工食品と健康との関係については、個人の体験談だけでなく、大規模な疫学研究でも検討されています。数十万人規模のデータを分析した複数の研究では、超加工食品の摂取量と死亡リスクとの関連が報告されています。このセクションでは、研究で示されている知見とともに、どのような疾患との関連が指摘されているのかを解説します。

大規模研究が示す死亡リスクとの関連

欧州の大規模研究であるEPIC研究では、超加工食品の摂取量と全死亡リスクとの間に、わずかな正の関連が報告されています。また、スペインで行われたSUN研究などの疫学調査でも、超加工食品の摂取量が多い人ほど全死亡リスクが高い傾向が示唆されています。これらの研究では、参加者の食事内容を詳細に記録し、数年から十数年にわたって健康状態を追跡することで、食習慣と健康との関連性を検討しています。

SUN研究では、超加工食品の摂取量が多い群(1日4品目以上)は、摂取量が少ない群と比較して全死亡リスクが高い傾向が報告されました。ただし、これらの結果は観察研究から得られたものであり、超加工食品そのものが死亡リスク上昇の直接的な原因であることを証明したものではありません。喫煙や運動習慣、体格、社会経済的背景など、さまざまな要因が影響している可能性があることも指摘されています。

また、超加工食品を多く摂取する人では、野菜や果物、全粒穀物などの摂取量が少ない傾向がみられることも報告されています。そのため、健康への影響を考える際には、特定の食品だけに注目するのではなく、食生活全体の質やバランスを総合的に評価することが重要です。

一方で、超加工食品の摂取量と健康リスクとの関連は、EPIC研究やSUN研究を含む複数の独立した研究で繰り返し報告されています。特に、心血管疾患や2型糖尿病、一部のがんなどとの関連について研究が進められており、超加工食品の健康影響に関する知見は今後さらに蓄積されていくと考えられています。

菓子パンに含まれる成分と疾患リスクの具体例

菓子パンに使われる代表的な成分と、それぞれに関連が指摘されている健康リスクについて整理してみましょう。

まず、精製小麦粉です。白いパンの生地に使われる精製小麦粉は、食物繊維やビタミン、ミネラルが取り除かれた状態で使われています。消化吸収が比較的速いため、食後の血糖値が上昇しやすく、長期的にはインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)との関連が指摘されています。

次に、高フルクトースコーンシロップや砂糖などの精製甘味料です。これらは過剰に摂取した場合、内臓脂肪の蓄積につながる可能性があるとされています。内臓脂肪の増加は、メタボリックシンドロームとの関連が知られています。

さらに、一部の菓子パンに含まれるトランス脂肪酸です。マーガリンやショートニングの製造過程で生成されるトランス脂肪酸は、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らす可能性があることから、心血管疾患との関連が指摘されています。日本でも食品への使用量削減が進められていますが、完全にゼロとはなっていない食品も存在します。

これらの成分が複合的に含まれていることが、超加工食品の健康への影響として注目されている理由の一つです。菓子パンを一度食べたからといって直ちに病気になるわけではありませんが、食習慣全体の中で摂取頻度や量を意識することが大切です。

まとめ

超加工食品は、便利で手軽な反面、慢性的に摂取することで身体の慢性炎症・血糖値の乱れ・腸内環境の悪化などを引き起こし、長期的な健康リスクにつながる可能性があります。また、脳の報酬系を刺激する設計が依存性を生み出し、やめたくてもやめられない状態を作り出します。デトックスには急激な禁止より段階的な置き換えが有効であり、食事・睡眠・運動・ストレス管理を組み合わせた生活習慣全体の見直しが、持続可能な変化につながります。まずは今日の食事から、一歩を踏み出してみてください。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

日本肥満学会「肥満症診断ガイドライン」

配信元: Medical DOC

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