不正出血以外の卵巣がんの症状

卵巣がんは初期には症状が乏しい一方、進行するとさまざまな体調の変化を引き起こします。不正出血以外に卵巣がんで現れる主な症状として、次のようなものがあります。
腹痛や腰痛
卵巣がんが大きくなったりお腹の中や腹膜に広がったりすると、周囲の臓器や神経を圧迫して下腹部の痛みや腰痛を感じることがあります。特に、腹腔内に腹水が溜まると膨張で痛みを感じることがあります。
生理痛、月経異常
卵巣がんそのものでは、初期の段階で月経に変化が現れることはほとんどありません。卵巣は左右に2つありますが、片方の卵巣にがんができてももう片方が正常に機能していれば、生理周期は保たれ大きな月経異常は起きるとは限らないからです。しかし、両方の卵巣が侵されると生理不順や無月経になる可能性があります。
便秘
卵巣がんが進行して腫瘍が大きくなったり腹水が溜まったりすると、後ろにある直腸を圧迫するため腸の通り道が狭くなり、便秘になることがあります。
体重の増減
何も生活習慣を変えていないのに急激な体重変化があった場合も注意が必要です。卵巣がんでは短期間に体重が増えたり減ったりすることがあります。例えば、お腹の中に大量の腹水が溜まるとその分体重が増加します。一方、がん細胞が放出する物質の影響で食欲が低下したり筋肉が落ちたりすると体重減少が起こります。
お腹の張り
下腹部の膨満感や腹囲の増大も卵巣がんの代表的な症状の一つです。卵巣がんが進行して腹膜にがんが広がると、腹腔内に液体(腹水)を貯留させます。この腹水が大量に溜まると、お腹が風船のように膨れ、時には臨月の妊婦さんのようにお腹が突き出すこともあります。
不正出血で病院を受診する目安

不正出血は放っておいてよい場合と、すぐに治療が必要な場合があります。自己判断は難しいため、基本的には不正出血があれば早めに婦人科を受診することが望ましいですが、特に次のような症状であれば受診を急ぎましょう。
不正出血を繰り返す場合
出血が長く続く場合
閉経後に出血があった場合
出血量が多い場合や痛みを伴う場合

