「乳がん健診で精密検査」になったら何をするかご存じですか?流れを医師が解説!

「乳がん健診で精密検査」になったら何をするかご存じですか?流れを医師が解説!

乳がんの精密検査についてよくある質問

ここまで乳がんの精密検査について紹介しました。ここでは「乳がんの精密検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

乳がんの精密検査は痛みを伴いますか?

検査の種類によりますが、大きな痛みを感じることは少ないです。 マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影するため、一時的に強い圧迫感や痛みを感じることがあります。しかし、圧迫している時間は数十秒程度と短いです。超音波検査は痛みはまったくありませんが、細胞診や針生検は針を刺す際の痛みがあります。その痛みは一時的なもので、その後も続くことはありません。

乳がんの精密検査の所要時間を教えてください。

精密検査はその内容にもよりますが、数分程度で終わるものもあれば1~2時間程度かかるものもあります。いずれの場合も、初診日は問診や基本的な診察もありますので、余裕をもって半日程度みておくと安心です。特に針生検まで当日に実施する場合は、トータルで数時間かかることもあります。時間に余裕をもって受診しましょう。

乳がんの精密検査で乳がんと診断された後の流れを教えてください。

精密検査の結果、残念ながら乳がんと診断された場合は、まず結果説明と紹介先が検討されます。そして、乳がんと確定したら、治療方針を決めるためにがんの広がりを調べる検査を行います。具体的には、乳房や腋のリンパ節の詳細を調べる乳房MRI検査、肺や肝臓など遠隔転移がないか調べる胸部X線や腹部エコー、CT検査、骨への転移確認のための骨シンチグラフィやPET検査などです。これらの画像検査により、がんが乳房の中にとどまっているか、リンパ節や他臓器に広がっていないかを確認します。こうした病期診断の結果に基づいて適切な治療法を決定します。

そして、検査結果を踏まえ、乳腺外科医や腫瘍内科医、放射線治療医などからなる医療チームと相談しながら治療方針を決めます。乳がん治療の基本は手術です。しこりが小さければ乳房を部分切除する乳房温存手術、広範囲に及ぶ場合は乳房全切除術が選択されます。それに加えて、がんの性質に応じて術後の追加治療(補助療法)を行います。例えばホルモン受容体陽性ならホルモン療法、HER2陽性なら抗HER2療法、再発リスクが高ければ化学療法、乳房温存した場合は放射線治療などを組み合わせます。


まとめ


乳がん検診で要精密検査と判定されても、放置せず医療機関を受診することが重要です。実際には精密検査の結果、乳がんではなかったとわかる方も少なくありません。もし乳がんが見つかっても、早期であれば治療により完治も十分可能です。本記事の内容を読むことで、精密検査の流れがわかり、行動につながれば幸いです。

配信元: Medical DOC

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