
スター・ウォーズ最新作「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」で、ロッタ・ザ・ハットの声を担当したことも話題になった俳優のジェレミー・アレン・ホワイトが主演を務めるドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」(原題「The Bear」)のシーズン5が、6月26日に全8話一挙配信された。同シリーズは主人公のシェフ・カーミー(ジェレミー)を中心に、レストランで働く一筋縄ではいかない料理人やスタッフ、彼らの家族や人生を描く人気シリーズ。シーズン5では、そんなカーミーら料理人たちの運命、レストラン「ザ・ベアー」の行方が描かれている。(以下、ネタバレを含みます)
■ファイナルシーズンはカーミーが店を離れると告げた翌日から始まる
亡き兄・マイケル(ジョン・バーンサル)が残した、シカゴの小さなサンドイッチ店の再生から始まったこの物語は、アメリカ・ニューヨークでシェフとして働いていたカーミー、マイケルの友人のリッチー(エボン・モス=バクラック)やカーミーの下で働きたくてやってきた若手優等生シェフ・シドニー(アイオウ・エディバリー)らが、幾度となくぶつかり合いながらも、全てを捧げてきたレストラン「ザ・ベアー」での人生を映し出すヒューマンドラマ。
シーズン4までに、さまざまな困難にぶち当たりながら何度も料理人&スタッフで一丸となって乗り越え、元は小さなサンドイッチ店だった「ザ・ベアー」がリニューアルオープンするところから、ミシュラン獲得を目標に掲げるレストランまで大きく成長する過程が描かれてきた。
シーズン4のラストでは、「ザ・ベアー」のことを最優先に考えたというカーミーが、シドニーやリッチーに自分がレストランから離れることを告げた。シドニーらはどう解釈しても納得がいかず、それぞれ心に秘めていた思いを吐き出す。また、シドニーは自分とリッチー、これまでも共同オーナーだったナタリー(アビー・エリオット)の3人が連名で店のパートナーシップを結ぶという条件を提示し、議論はひとまず終わった。
■「ザ・ベアー」が浸水、食材不足で危機に…
ファイナルシーズンとなるシーズン5の第1話は、「ザ・ベアー」激震の夜が明けた朝から始まる。シカゴの街は早朝から豪雨に見舞われ、どこか不穏な空気をまとっていた。ティナ(ライザ・コロン=ザヤス)は自宅のキッチンで料理の試作をしているが、表情は曇り気味。リッチーは前夜の出来事によるもやもやを払拭しようと、鏡に向かって自分を鼓舞するように野次を飛ばしていた。
一方、シドニーは1人で淡々とレストランのキッチンで仕込みを始める。すると、スタッフのジェシカ(サラ・ラモス)からリッチーの元に予約アプリのシステムが故障しているという連絡が入る。その直後、リッチーはレストランに向かう途中で衝突事故に遭ってしまう。
ここまで開始わずか6分ちょっとの出来事であり、ファイナルシーズンも一筋縄ではいかないという予感と現実が、視聴者に突き付けられる。
閉店までのカウントダウンが終わり、いよいよ本格的にレストランの存続が危うくなる。経営側のナタリーや、資金面で支えていたジミー(オリバー・プラット)もこの危機に頭を抱え、シドニーはナタリーから納品が止められ、経費削減のためにどの料理も15%ほど量を減らすべく、全メニューを見直さなければならないという事実が告げられる。
そんな中、老朽化していた水道管が大雨の影響で破裂してしまい、レストランが浸水してしまう惨事が起きる。シカゴの豪雨が、“雨模様”の「ザ・ベアー」をますます窮地に陥らせる結果となった。

■「本当に大好きなシリーズでした」
カーミー以外にも各料理人やスタッフが「ザ・ベアー」を愛し、自分の仕事に誇りを持って働いてきたことはこれまでの物語で丁寧に描かれてきた。そして個々が自分の人生に向き合い、壁を乗り越える姿も。
だからこそ自分たちが生きていくためには、ここから離れる選択をせざるを得ない現実に直面している状況だということが、各登場人物の表情や言動から見て取れ、胸が締め付けられるような思いになった。
第2話では全員が精神的にも限界に達する中、浸水の対応をしつつ店の開店準備に取り掛かる一同。店を存続させるため、フランチャイズ化すること、もしくはレストランが入る建物を上に増築する工事をする、という選択を迫られる。
いつもは他のスタッフに気を配り、話に耳を傾けて励ましていたティナが、あふれ出る涙をこらえようとトイレにこもって冷静さを取り戻そうとする姿からも、店の危機であることがうかがえる。
5シーズンにわたって紡がれてきた彼らのストーリーがいよいよファイナルを迎えるということで、配信前から「どうか全員が納得いくような決断をして欲しい」と懇願する視聴者の声も多く寄せられていた。
借金まみれの小さなサンドイッチ店が試行錯誤をしながら大きく成長していくと同時に、レストランに全てを捧げてきた登場人物たちの人生も前に進んできた。料理と同じく、彼らの人生は酸いも甘いもあるからこそ深みがある。
さらに役者たちが見せる迫真の演技、丁々発止の“会話劇”がこれでラストになるのかと思うと寂しい気持ちでいっぱいだが、最後の“一口”まで存分に堪能してみてほしい。
早速ラストまで視聴したドラマファンからは「近年まれにみる完璧なフィナーレだった」「ここ最近のドラマでは間違いなく一番好きだった。締めくくりも最高」「本当に大好きなシリーズでした」といった声が上がっている。
「一流シェフのファミリーレストラン」シーズン5は、全8話配信中。その他のシーズンもディズニープラス スターで独占配信中。
◆文=suzuki

