
「アレ、どこいったっけ?」すぐわかる場所に置いたはずなのに、探し物が見つからない。ごちゃついた部屋を探していると、チケットの半券を発見!「これノートに貼らなきゃ」と別のことに夢中になってしまい、探していたものを忘れてしまう。「ああ、こんなことしてる場合じゃないのに!!」とイライラする花田もねは、「大丈夫の研鑽」に励む女性。大丈夫になりたくて頑張ったり、でも大丈夫になれなかったりもする日常の漫画、井上まい(@omo_mai)さんの「大丈夫倶楽部」を紹介しよう。
■自分にも大丈夫になりたい、ほっとしたい願望があった



花田もねは、「大丈夫」と自分に言い聞かせながら失くしたものを探していたが、散らかった部屋に混乱していた。そこへ友人の芦川さんが訪れ、手伝ってくれたことで冷静さを取り戻し、できることから行動を始める…。
本作「大丈夫倶楽部」で「大丈夫」をテーマにしたのは、作者の井上まいさん自身が長く「大丈夫になりたい」「ほっとしたい」と願っていた時期があり、その思いを作品として形にできそうと感じたからだという。井上さんは「言い聞かせるというより、願って目指すようなイメージです」とも振り返る。
個性的なキャラクターの芦川さんについては、「他人はみんな正体不明で、人でも人じゃなくてもわからないというニュアンスが伝わっていればうれしいです」と井上さんは話す。
「大丈夫じゃなくなってしまう」状況に共感する読者に向けて、井上さんは「『仕方ないし、別にいいんですよ』と言ってしまいたい。押し付けない力の入れ具合で心の角を丸くしたい気持ちでいます」と語る。
読者からは「読むと大丈夫な気持ちになれる」といった声も届いているが、井上さんは「作品はあくまで可能性の提示で、大丈夫になったならそれはその方の自力によるものですし、読んで落ち込んでも、期待通りにならなくても、1つの読書体験になれたらと思います」と話す。さらに、井上さんは「漫画は娯楽ですので、この作品に興味を持っていただいた方に好きに楽しんでもらえれば本望です」と読者へメッセージを残してくれた。
少し心が不安なときに読むと、自分の心に小さな「大丈夫」が生まれ、救われると評判の「大丈夫倶楽部」。まだ読んでいない方は、そのやさしい世界観をぜひ味わってみてほしい。
取材協力:井上まい(@omo_mai)
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