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「眼圧」が上がる“あの寝方”?今すぐ「やめる」べき2つの理由【医師監修】

「眼圧」が上がる“あの寝方”?今すぐ「やめる」べき2つの理由【医師監修】

眼圧は、眼球内を循環する「眼房水(がんぼうすい)」の産生と排出のバランスによって決まります。うつぶせ寝では眼球への直接的な圧迫が加わることで、眼の周囲の静脈還流が滞り、眼圧が上昇する可能性が指摘されています。短時間の体位変換でも眼圧の上昇が認められた研究も報告されており、睡眠中に同じ姿勢が長時間続くことの影響について考えてみましょう。

柳 靖雄

監修医師:
柳 靖雄(医師)

東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

うつぶせ寝と眼圧上昇の罠|姿勢が変えてしまう眼の内部環境

うつぶせ寝が眼圧を上昇させるというのは、なぜなのでしょうか。眼の内部では、姿勢の変化に応じてさまざまな変動が起きています。このセクションでは、眼圧上昇の具体的なメカニズムとうつぶせ寝が関わる罠について、より詳しく掘り下げます。

眼房水の流れと眼圧のバランス

眼圧は、眼球内を循環する眼房水の産生量と排出量のバランスによって決まります。眼房水は毛様体(もうようたい)と呼ばれる部位で産生され、虹彩(こうさい)と角膜の間にある「前房隅角(ぜんぼうぐうかく)」と呼ばれる排水口のような部位から排出されます。この流れがスムーズであれば眼圧は一定に保たれますが、何らかの理由で排出が妨げられると眼圧が上昇します。

外部からの圧迫や頭位の変化により、眼の周囲の静脈還流が悪化し、眼圧が上昇することが報告されています。眼房水の産生・排出バランスへの影響も考えられますが、主としては静脈圧の変化が関与すると考えられています。眼房水の排出は眼静脈の圧力に依存している部分があるため、静脈圧が高まることも眼圧上昇の一因になりえます。眼圧が長時間にわたって高い状態が続くことが、視神経へのダメージを蓄積させる主な経路です。

うつぶせ寝が引き起こす「局所的な圧迫」の問題

うつぶせ寝では、眼球への直接的な圧迫が問題となる場合があります。顔を枕に埋めるような姿勢では、片側の目または両目が枕に押しつけられる可能性があり、このとき眼球の外側から物理的な力がかかります。通常、眼球は強膜(きょうまく)と呼ばれる丈夫な白い壁で囲まれていますが、外部からの圧迫が加わると内部の圧力が急に高まる可能性があります。

こうした局所的な圧迫は、研究では短時間の体位変換でも眼圧上昇が認められています。睡眠中は同じ姿勢が長時間続くため、影響が積み重なる可能性が指摘されていますが、日常のうつぶせ寝習慣と長期的な視神経障害を直接結びつけた研究は限られています。

眼圧の上昇やその変動は、視神経への負担因子の一つと考えられています。とくに正常眼圧緑内障では、眼圧以外に視神経血流の異常も関与しているとされています。

まとめ

毎晩のうつぶせ寝は、眼圧を一時的に上昇させる可能性があり、とくに緑内障やそのリスクがある方では注意が必要です。失われた視野を回復させることは難しく、症状が現れる前の定期検診が重要です。首や脊椎、呼吸など全身への影響も踏まえると、うつぶせ寝を見直すことは幅広い健康上のメリットをもたらします。まずはできることから睡眠姿勢の改善に取り組み、定期的な眼科検診を習慣として取り入れていただければと思います。
本記事で述べている「うつぶせ寝による眼圧上昇」は、複数の研究で報告されている事実です。とくに緑内障の治療中の方や、眼圧が高め・家族歴がある方は、睡眠体位を含めた生活習慣の見直しを眼科医と相談することをおすすめします。一方で、うつぶせ寝をしているすべての方が失明するわけではなく、睡眠姿勢と緑内障の因果関係を直接示した大規模研究はまだ限られています。不安がある方は、症状の有無にかかわらず定期的な眼科検診を受けてください。

参考文献

日本眼科学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」

国立眼科研究所(NEI)「Glaucoma: What You Should Know」(参考)

配信元: Medical DOC

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