脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「噛まない生活」はどうなる?“オーラルフレイル”が招く「3つの機能への影響」

「噛まない生活」はどうなる?“オーラルフレイル”が招く「3つの機能への影響」

現代の食生活では、加工技術の発達や調理済み食品の普及により、柔らかい食事を選びやすい環境が整っています。その結果、1回の食事で必要な咀嚼回数は昔と比べて大きく減少しているといわれています。歯の本数が少ない方や噛む力が低下している方では、認知機能の低下との関連を示唆する研究もあります。また、咀嚼回数が減ると食事時間も短くなり、早食いによる血糖値の急激な変動や肥満リスクが高まります。こうした生活習慣の乱れは、血管性認知症のリスク因子になる可能性もあります。噛む回数を意識することは、将来の脳の健康を守るうえで大切な視点といえるでしょう。

田頭 秀悟

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

柔らかい食事ばかりと認知症リスク:口腔機能と全身の健康のつながり

柔らかい食事が続くことで生じる問題は、脳への直接的な刺激不足だけではありません。口腔機能の低下が全身の健康に波及し、その結果として認知機能にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。近年では、口の健康を維持することが健康寿命の延伸にも重要であると考えられています。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)と認知症の関係

近年、「オーラルフレイル」という概念が広く知られるようになっています。これは、噛む力や飲み込む力、発音機能など口腔機能の軽微な衰えを指す言葉です。

オーラルフレイルは単なる口の問題ではなく、全身のフレイル(虚弱)の入り口とも考えられています。口腔機能が低下すると食べられる食品が限られ、栄養状態の悪化や筋力低下につながる可能性があります。

柔らかい食事ばかりを続けていると、咬筋(こうきん)や側頭筋などの咀嚼筋への刺激が減少します。筋肉は使わなければ徐々に衰えるため、噛む力が低下し、さらに柔らかいものしか食べられなくなるという悪循環に陥ることがあります。

また、口腔機能が低下すると肉類や野菜、海藻類など噛み応えのある食品を避ける傾向が強くなります。その結果、たんぱく質やビタミンB群、鉄分、亜鉛など脳機能の維持に重要な栄養素が不足しやすくなります。

さらに、高齢者では低栄養が筋力低下や活動量低下を招き、社会参加の機会が減少することもあります。こうした身体的・社会的な要因も認知機能低下との関連が指摘されています。

このように、オーラルフレイルは口腔機能だけでなく、栄養状態や身体機能、社会活動にも影響を及ぼすため、結果的に認知症リスクと関連する可能性があると考えられています。

歯周病と認知症リスクの関連性

柔らかい食事が続くと、咀嚼による自浄作用が低下しやすくなります。咀嚼によって分泌される唾液には抗菌作用や洗浄作用があり、口腔内環境を整える重要な役割があります。

唾液分泌が減少すると歯垢(プラーク)が蓄積しやすくなり、歯周病のリスクが高まる可能性があります。歯周病は歯を支える歯茎や骨に炎症が起こる病気であり、日本人の多くが罹患しているとされています。

近年では、歯周病と認知症の関連についても研究が進められています。歯周病菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)がアルツハイマー病との関連を示唆する報告もあり、歯周病による慢性炎症が脳に影響する可能性が注目されています。

また、歯周病による炎症性物質は血流を介して全身へ広がることがあります。慢性的な炎症状態は動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病とも関係しており、結果として認知機能に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

ただし、歯周病が直接認知症を引き起こすことが証明されているわけではありません。現時点では関連性が示唆されている段階ですが、口腔内を健康に保つことが全身の健康維持につながるという考え方は広く支持されています。

口の健康は「食べる」「話す」「笑う」といった日常生活の基本機能を支える重要な要素です。柔らかい食事ばかりに偏らず、適度に噛む習慣を維持することは、口腔機能だけでなく将来の脳の健康を考えるうえでも大切な取り組みといえるでしょう。

歯周病と認知症リスクの関連性

柔らかい食事が続くと、咀嚼による自浄作用が低下しやすくなります。咀嚼によって分泌される唾液には抗菌作用や洗浄作用があり、口腔内環境を整える重要な役割があります。

唾液分泌が減少すると歯垢(プラーク)が蓄積しやすくなり、歯周病のリスクが高まる可能性があります。歯周病は歯を支える歯茎や骨に炎症が起こる病気であり、日本人の多くが罹患しているとされています。

近年では、歯周病と認知症の関連についても研究が進められています。歯周病菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)がアルツハイマー病との関連を示唆する報告もあり、歯周病による慢性炎症が脳に影響する可能性が注目されています。

また、歯周病による炎症性物質は血流を介して全身へ広がることがあります。慢性的な炎症状態は動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病とも関係しており、結果として認知機能に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

ただし、歯周病が直接認知症を引き起こすことが証明されているわけではありません。現時点では関連性が示唆されている段階ですが、口腔内を健康に保つことが全身の健康維持につながるという考え方は広く支持されています。

口の健康は「食べる」「話す」「笑う」といった日常生活の基本機能を支える重要な要素です。柔らかい食事ばかりに偏らず、適度に噛む習慣を維持することは、口腔機能だけでなく将来の脳の健康を考えるうえでも大切な取り組みといえるでしょう。

まとめ

柔らかい食事ばかりという習慣は、噛む力の低下や口腔機能の衰えを通じて、認知症リスクとも関わりを持つことが明らかになってきています。咀嚼は脳への刺激、栄養の多様性の確保、口腔環境の維持など、さまざまな経路で健康に貢献します。日常の食事に意識的に噛み応えのある食品を取り入れ、口腔ケアと適度な運動・社会的なつながりを合わせて維持することが、脳と身体の健康を長く保つうえで大切な一歩となるでしょう。

参考文献

日本歯科医師会「8020運動」とは?

公益社団法人 日本歯科医師会 「歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル 2019年版」

厚生労働省 e-ヘルスネット「口腔機能の健康への影響」

日本臨床歯周病学会 「歯周病が全身に及ぼす影響」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。