
山野しらすさん(@shirasu00mori)は、SNSやブログを中心に実話に基づいた漫画を公開している。2024年に投稿された「私が放置子だった頃の話」は、母親が不倫やパチンコ通いの日常を送るなかで、一人娘を「放置子」にしてしまうエピソードとして注目を集めている。今回は、本作を描いたきっかけや母親の態度、裏話などについて山野しらすさんにインタビューした。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
■放置子の視点から描く衝撃の実話



本作を描こうと思った理由について、山野しらすさんは「SNSやメディアで『放置子』という単語をよく目にするのですが、放置子に迷惑をかけられた側の視点の作品が多いなと感じていました」と話す。自身の知人が幼少期に放置子だった経験を聞いたことがあったため、その子の視点を通して「放置子」側のストーリーも皆さんに見てほしいと思ったのが、この作品を描き始めたきっかけだそうだ。身バレや特定を避けるためにフェイクを加えたり、エピソードの流れがわかりやすくなるよう再構成したりと手は加えているが、基本的なエピソードや事件に関しては実話であるという。
夏休みには娘を友達の家に無理やり預けていたようだが、友達関係に影響はなかったのか尋ねると、「幸い友達関係には悪影響はなかったようです(保護者から迷惑な存在だと思われていたようなのですが…)。ただ、預けられるから…ということ以外に、服装が毎日同じだったりお風呂にあまり入っていなかったりと、一時期学校では少し浮いていたようです」と明かした。
母親が不倫相手とパチンコデート中、5歳の娘は車内で待っていたという。今の時代だったら問題になると思うが、その点についてどう思うか尋ねると、「今だったらあり得ないですよね。何か事件や事故に巻き込まれていたらと思うとゾッとします」と話す。実は、車で待たされるようになる少し前は一緒に店内に入ることもあったそうだ(昔はパチンコ屋に子どもも入れたとのこと)。「ただあるタイミングで18歳未満の入店が禁止になり、じゃあ車で待っていろとそんな流れになったようです。令和の世の中は『パチンコ屋に限らず、駐車場で子どもを待たせてはいけない』ことが常識となっていて、心からうれしく思います」と語った。
子どもの育て方は、その子の将来に大きく関わることだろう。本作はしおりちゃんの幼少期を中心に描かれているが、ブログなどでは毒親から離れたしおりちゃんの作品も投稿されている。興味がある人はぜひ読んでみてほしい。
取材協力:山野しらす(@shirasu00mori)
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