突然意識を失って倒れる「失神」は、決して珍しくない症状なのだそうです。すぐに回復することも多く、「疲れたせいかな」と軽く考えてしまいがちですが、なかには心臓の異常など、命に関わる原因が隠れていることもあります。今回は、失神について、「高木クリニック」の高木先生にお話を伺いました。

監修医師:
高木 泰(高木クリニック)
聖マリアンナ医科大学医学部卒業。その後、聖マリアンナ医科大学病院や関連医療機関にて内科・循環器内科を中心に研鑽を積み、地域医療にも従事。2019年、茨城県水戸市に「高木内科整形外科医院(現・高木クリニック)」を開院、院長・理事長となる。医学博士、薬剤師。日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会認定内科医。
編集部
まず、失神の原因について教えてください。
高木先生
大きく「反射性失神」「起立性低血圧」「心原性失神(不整脈や弁膜症など)」の3つに分類されます。この中で、心原性失神は命に関わるリスクの高い失神なので注意が必要です。そのため、医療機関での正確な診断が重要です。
編集部
そもそも失神とは、どういう状態を指すのですか?
高木先生
失神とは、一時的に脳への血流が不足することによって意識を失う状態を指します。失神の約80%はリスクの低い自律神経系の失神ですが、約10%は命に関わる心原性失神です。いずれの場合も、数十秒~数分で意識が戻ることが多く、後遺症は残らないのが特徴ですが、発生のタイミングや原因によっては大きな事故やけがにつながることもあります。
編集部
立ちくらみとは違うのでしょうか?
高木先生
立ちくらみは、急に立ち上がった際に起こる軽い血圧低下による起立性低血圧で、失神の原因の約15%と言われています。失神は完全に意識を失うという特徴がある一方、起立性低血圧は意識を失わないことが多く、発症の回数や状況、背景疾患などによって区別が必要となります。高齢者の起立性低血圧は、パーキンソン病などの病気や薬の影響である可能性もあるので、「ただの血圧低下」と思わずに受診をおすすめします。
編集部
失神はどのくらいの頻度で起きるものですか?
高木先生
「日本では、年間1000人中6人が失神を経験している」というデータがあります。決して珍しい症状ではなく、誰にでも起こり得るものです。特に高齢者では、様々な要因が重なりやすいため、注意が必要です。最近は、当院のように「失神外来」という専門外来もできています。
※この記事はメディカルドックにて<「失神」の3つの原因はご存じですか? 放置リスク・失神外来の受診~治療の流れも医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
- 「心臓発作」が起きた時の”対処法”はご存じですか?やってはいけないことも医師が解説!
──────────── - 「不整脈」で”要注意な息苦しさ”はご存じですか?受診すべき症状も医師が解説!
──────────── - 「心房細動の治療」で”根治”は目指せる?アブレーションの種類や費用も医師が解説!
────────────

