
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、カドコミで連載中の『或るバイトを募集しています』(原作:くるむあくむさん、漫画:ネルノダイスキさん)より第1話をピックアップ。
原作を手掛けたくるむあくむさんが6月3日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、くるむあくむさんと作画を手掛けたネルノダイスキさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■亡くなった人に電話をかけるだけのアルバイト

ある時、一人の男性がバズっているアルバイト求人にたどり着く。それは、指定された番号に電話をかけ、
「本当に死んでいますか」
という留守電を入れるだけで15万円の報酬がもらえるというもの。不気味ではあったが、興味本位で応募するとすぐに採用され、借金もあったことからその仕事をやってみることに。
二日後、手元に届いた電話番号リストには13人の名前と電話番号、そして死因が書かれていた。迷った末、3日以内という期限内に全ての番号にかけた男性。誰も電話に出ることはなく、スムーズに作業終了。その後給金のやり取りも問題なく済んだ。しかしその翌日、男性のスマホに2件の通知があり…?
アルバイトの恐怖体験を描いたモキュメンタリーホラーである本作。作品を読んだ読者からは、「今っぽい怖さ」「モキュメンタリーホラーの入口になってくれるような作品」など、反響の声が多く寄せられている。
■原作・くるむあくむさん「『恐怖の対象』その特徴や質感を余すことなく丁寧に書く」、漫画・ネルノダイスキさん「ぜひ原作と比べて読んでみてほしい」

――『或るバイトを募集しています』は、どのようにして生まれた作品ですか?創作のきっかけや理由などをお教えください。
くるむあくむ:知人から使わないからと貰ったアカウントをくるむあくむと名付け、趣味程度にホラー作品を投稿していた頃(当時はフォロワー五百人程)こんなバイトがあったら怖いなとふと投稿したツイートがまさかの四万いいねを貰ってしまい、それがきっかけでKADOKAWA様からお声かけ頂いたのがきっかけです。
――本作がコミカライズ作品になった時の率直なお気持ちをお聞かせください。
くるむあくむ:小説執筆時よりコミカライズ向きの作品ですねと担当の方と話していたので、ここまで漕ぎ着けることが出来て良かった。それだけです。
ネルノダイスキさんの作画も最恐で全て思い描いたように形にして頂き感謝しかないです。
――『或るバイトを募集しています』のコミカライズを手掛けることになった経緯やきっかけ、その際のお気持ちなどをお聞かせください。
ネルノダイスキ:以前に同人誌に描いたホラー漫画を担当編集者が見て声をかけていただきました。
あまりホラーとかは描いたことないので自分でいいんだろうかという気持ちはありましたけど、声をかけてくれたということは出来るだろうと思って声をかけてくれたのだろうだから自分ではあまり客観的にはわからないけどチャレンジしてみようかなという気持ちになりました。あとモキュメンタリーホラーは割と好きなので興味があった、というのもありました。
――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
ネルノダイスキ:全部ではないですが背景の絵にはところどころに意味は込めてたりもするのでそういうのも気にしつつ読んでもらえたらなあとは思っています。
――第1話のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
くるむあくむ:留守電の蝉の声、火葬場の音を友人同士で聞き合うシーンです。
ああいう時って絶対誰かが「こうじゃないか」って余計な事言っちゃうんですよね〜。
ネルノダイスキ:15ページの3コマ目の表情です。
ほんとか嘘かわからないけど電話をかける時の緊張感とそれを誤魔化すためにうっすら笑ってる感じは描きたいなと思ってたので。
――第1話以降の見どころや、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
くるむあくむ:この先、何話とは明言しませんが善意を踏み躙ることに躊躇なく書いた最悪の話があります。
今読み返すと書いた自分が嫌いになりそうなくらいですから、あなたは耐えられるか試してみてください。
ネルノダイスキ:ここを見てほしい、というピンポイントな部分よりはぜひ原作と比べて読んでみてほしいなと思います。コミカライズにあたって結構変更させていただいた箇所もあり、演出なども割と好きに変えさせていただいたのでその差も比較してみるとまた面白いんじゃないかなと思います。
――他にも多くのホラーを書かれているくるむあくむさんですが、読者をゾクっとさせるために意識していることがあればお教えください。
くるむあくむ:「恐怖の対象」その特徴や質感を余すことなく丁寧に書くことです。
まぁ、それって大抵普段生きてて見ることが出来ないもの、リファレンスが日常に転がっていないので我が家には死体に関する本だったりが山積みになっています。
――ホラー以外の作品も描かれているネルノダイスキさんですが、漫画を描く際のこだわりや、特に意識していることがあればお教えください。
ネルノダイスキ:私の絵は結構ペンタッチ多めの描き込み多い絵ですがなるべく画面が見づらくならないようには意識しています。
――最後に読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
くるむあくむ:最悪を自ら迎えにいくあなた達を同じホラーファンとして心より尊敬しています。
ネルノダイスキ:私は普段から、身近な風景の中に潜んでいる少し不思議なもの、不穏な気配に興味があります。
『或るバイトを募集しています』にも、そうした感覚を丁寧に描き込めたらと思いながら制作してきました。
読者の皆様にも、ページをめくったあとに少しだけ現実の見え方が変わるような体験をしていただけたら嬉しいです。

