弾性ストッキングから手術まで!「下肢静脈瘤」の放置リスクと治療の選択肢

弾性ストッキングから手術まで!「下肢静脈瘤」の放置リスクと治療の選択肢

下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張し、こぶ(瘤)のように膨らむ病気です。生命に直接関わることはほとんどありませんが、症状が進行すると生活の質(QOL)を低下させる可能性があります。そこで、血管外科クリニック本厚木の黒澤弘二先生に、下肢静脈瘤を放置しておくとどうなるかについて解説してもらいました。

黒澤 弘二

監修医師:
黒澤 弘二(血管外科クリニック本厚木)

東京慈恵会医科大学医学部卒業。その後、富士市立中央病院や東京慈恵会医科大学などで経験を積む。米国ウィスコンシン大学マディソン校 血管外科 研究員や厚木市立病院 外科部長(血管外科専攻)を経て神奈川県厚木市に「血管外科クリニック本厚木」を開院、院長となる。日本外科学会指導医/専門医、三学会構成心臓血管外科専門医・修練指導医、胸部・腹部ステントグラフト指導医、浅大腿動脈ステントグラフト実施医、日本脈管学会認定脈管指導医/専門医、日本血管外科学会認定血管内治療医、下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医/実施医。

編集部

下肢静脈瘤を放置しておくとどうなりますか?

黒澤先生

下肢静脈瘤を放置しておいても、よくなることは基本的にありません。症状が悪化すると、血流の停滞により皮膚が黒ずんだり、潰瘍ができたりすることがあります。さらには、炎症を伴う血栓性静脈炎を引き起こすこともあるため、症状が進行する前に、早めに治療することが重要です。

編集部

医療機関ではどのような治療をするのですか?

黒澤先生

下肢静脈瘤の治療には、保存的治療と手術的治療があります。保存的治療では、弾性ストッキングの着用や生活習慣の改善などがおこなわれます。手術的治療には、血管内焼灼術(レーザー・高周波治療)、血管内塞栓術(グルー治療)、ストリッピング手術などがあります。

編集部

それぞれについて教えてください。血管内焼灼術とは?

黒澤先生

静脈内にカテーテルを挿入し、レーザーや高周波で血管を焼灼し閉塞させる治療です。局所麻酔でおこなうことが可能で、傷が小さく、体への負担も小さいのが特徴です。リスクとしては、皮膚の浅い部位に血管が走行している場合などに、皮膚の色素沈着が起こる可能性があることや軽度の局所的なしびれ、知覚鈍麻(感覚が鈍くなる)などの神経障害が起き得ることなどです。

編集部

では、血管内塞栓術(グルー治療)とは何ですか?

黒澤先生

グルー治療は、医療用接着剤(グルー)を静脈内に注入し、血管を閉塞させる治療法です。局所麻酔が少なくて済むため、麻酔の針を刺す回数が少ないことや術後の弾性ストッキングが不要な点がメリットです。リスクとしては、グルーに対するアレルギー反応が出ることがあること、術後一時的に静脈炎による皮膚の赤みが出る可能性などが挙げられます。

編集部

ストリッピング手術についても教えてください。

黒澤先生

ストリッピング手術は、弁不全のある静脈を特殊なワイヤーで抜去する方法です。メインの静脈だけでなく、静脈の枝も処置するため、根治的で確実な治療効果が得られますが、静脈の走行部位に沿って、複数の皮膚切開をするため、体への負担が大きく、現在の治療法としては主流ではありません。

※この記事はメディカルドックにて<「下肢静脈瘤」が悪化するとどうなるかご存じですか? 治療・術式も医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

配信元: Medical DOC

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